株式市場と同様、アメリカの不動産市場も実体経済との乖離が激しく加熱が続いています。
最新のデータによると、年間で18%の価格の上昇が見られ、58%の物件が売り物件として掲載した後、2週間以内に成約されています。
Housing Market Update: Supply Shortage Intensifies, Driving Prices Up 18%
45%の売り物件が言い値以上の価格で売却されているそうです。
この加熱の理由は明らかです。
記録的な低金利と金融緩和、そして政府が差し押さえの手続きを停止していることが直接の原因です。
在庫不足が深刻でも、売りに出すとあっという間に複数の買い付けが入ります。英語でBidding warと呼ばれるものです。
他の買い手よりも高い買い付けをするから、売ってほしいという人が多数いて、そうしないと買えない状況です。
Bidding wars heat up amid red-hot housing market
私も売り物件を出す準備をしているのですが、知り合いのエージェント全員から売り物件を欲しいと言われて困っています。
今は売りに出せば、物件を見ないのに買い付けが入ります。つまり売り物件さえあれば、あっという間に買い手が決まるので、早めに売りに出そうと準備をしています。
今は、物件の数が足りず、売り物件の数よりエージェントの数の方が多いと言われています。
多くの不動産エージェントは不動産バブルが崩壊するとは全く考えていないようです。
恐らくエージェントのほとんどはリーマンショック後に不動産業を始めた人で、深刻な下落相場を経験していないのではないかと思われます。
先日も、「そろそろ落ちるんじゃない」、とあるブローカーに話したところと全力で否定されました、、、
アメリカ政府が先延ばしと金融緩和を続ける限り、売却と転売には良いマーケットと言えそうですね。
個人的には、近い将来いずれにしてもバブルは崩壊すると思っています。人為的な相場というのは長続きしないものだからです。
たまりにたまっている差し押さえ対象物件が一気にマーケットに放出されると、需要と供給のバランスが崩れ価格が下がります。
下落圧力によりアンダーウォーター(住宅ローンの残額より物件価格が下がってしまう現象)になった売り手が、ローンの支払いをやめてしまいさらに下落するようになると思っています。
あと、アメリカでは金利が上昇するとともに、金融機関が属性の悪い人に住宅ローンを出さなくなると思います。
今、住宅ローンの支払いをやめている人たちは、政府の差し押さえ停止期間が終わった後に、リファイナンスをすればよいと安易に考えているようですが、
恐らくうまくいかないと思います。
いずれにしても失業者は増え続けていますし、アメリカ経済は完全に金融緩和と給付金だよりです。
そしてこの借金のバブルはいつかは破裂します。そしてその結果は悲惨なものです。
今はなかなか思ったように物事が進展しないので、辛抱の時期ですが、不動残が下落する時までに、準備を整えておけばよいと思っています。
このバブルが崩壊する時、史上最大の買い時が来ます。
とりあえず来月は市役所の差し押さえを買えるので、短期売買をして資金を増やそうと思っています。