不動産市場というのは、人々の心理状態に大きく左右されます。
儲かるとか値段が上がると思えば、多少の無理をしても不動産を買うものですし、反対に価格が下がると思えば損切をしてでも売りに出すものです。
売り手も買い手も生身の人間なので、第三者の意見に影響されます。そしてメディアが言い出す頃には、すでに手遅れである場合も多いものです。
パニックというのはお金を儲けるチャンスです。
そして英語で「不動産は売る時ではなく買う時に儲かる」と言いますが、誰もが悲観的になる時が最高の買い時になります。
数日前、ニューズウィークは2022年に家を購入した人は、平均で$122,000を失ったことを指摘しました。
New Homeowners Lose $122,000 as Housing Prices Drop
興味深いのは、記事の中でアメリカ不動産の価値は"フリーフォール"状態で、一日に$223失っていることを指摘しています。
下の図は価格が大きく下落している15の都市です。
そしてこちらの記事は、不動産価格の下落は過去10年間で最高のレベルであるとする記事で、
サンフランシスコのような都市では、価格が2014年のレベルにまで戻っていることを指摘しています。
House Prices Plunge to Levels Not Seen for 10 Years
2024年に不動産価格が下落する都市のリストも公開されています。
下の地図は不動産価格下落リスクが高い都市を示したものです。
ラスベガスは入っていませんが、ラスベガスは最も酷い大被害を受けているはずです。
これらの記事は2023年に価格が下落した10の都市を指摘しています。
10 Cities Where Home Prices Are Falling Most in 2023
すでに価格の大幅下落が本格化し、買い手がいないので逃げようにも逃げられない人が多い状況です。罠にはまったも同然です。
不動産市場を意図的に破壊しようとする動きも出でいます。
例えば、数日前に国会に新たな法案が提出され、ヘッジファンドが戸建て物件の購入を禁止し保有物件の売却を義務付ける方向性のようです。
New Legislation Proposes to Take Wall Street Out of the Housing Market
データによるとヘッジファンドは全米で75万件の戸建てを保有しているようです。
この全てが売りに出される可能性が浮上しているわけです。
価格が大幅に下落していて売り物件数が急増している最中、大量の不動産が一気に売りに出されるとどうなるのかは想像に難くありません。
途中からまとめて叩き売りをするようになります。
今朝もエージェントから物件情報が来ました。
あまり安くないものがほとんどですが、採算度外視で処分しているものもあります。
現在で15-23万ドル程度で販売されているエリアで、大きめの物件が3万ドルで売りに出でいます。差し押さえではないようです。
2021/7に85000ドルで購入したものを30000ドルで売りに出しています。現在の査定価格は205000ドルです。
賃貸相場は100平米程度の家が$1200-$1700です。
仮に修繕費が3万ドルで家賃が$1500だと仮定すると、利回りは30%になります。
これからもっと価格は下がると思いますし、こういう物件はゴロゴロと出で来るはずです。
年明けくらいからもっと条件が良くなるはずです。