私はアメリカで不動産投資をしています。
といってもここ数年は売る一方で、まったく買っていませんが、アメリカでは低金利をなので借りまくって買い続けている人たちがいます。
最近、同じ話を複数の人から聞きましたので、書きたいと思います。
これらの投資家は経験がある投資家からの話で、戸建ての不動産ではなく大型の商業不動産を買うような人たちです。
具体的な価格は知りませんが100億を超えるような不動産を買うこともあるのではないかと思います。
どういう話かというと、契約が成立しエスクローの直前で取引から撤退したという話をあちこちで聞きました。
アメリカの不動産の取引として、買い付けを行うときに手付金(EMD)を支払います。
売買契約が成立後に、買い手がキャンセルするとEMDは自動的に売り手のものとなります。キャンセルのペナルティというわけです。
彼らがしたのは物件の売買契約成立後のエスクローの直前でキャンセルしたので、多額の損失を出したわけです。
しかし損をしたとしたとしても、撤退することを選んだということですが、高額物件なのでEMDの額が1億を超えていた人もいました。
多額のEMDを失ったとしても、取引をキャンセルすることにしたということです。
理由はいくつかあるようです。
ここ最近の金利の急上昇のため、購入したとしても利益が見込めなくなったという理由は大きいようです。
別の理由としては、これから不動産価格が急落することが見込まれるので、先送りしたいという考えもあるようです。
彼らは英語で"Smart Money"(賢い投資家)と呼ばれるような人たちがこういう決断をするということは、これから何が待ち受けているのかを示しているように思います。
同じタイミングで、FRB議長のパウエル氏は不動産市場は「リセットが必要だ」と述べました。
要するに連続して利上げを行うことにより、不動産価格を下げるということを意図しているようです。
価格が高騰しすぎているため価格を下げることにより購入しやすくすると説明していますが、これは同時にローンが払いきれずに家を失う人が多数出ることをも意味しています。
リセットという名の破壊が進行中です。
数日前に0.75%の利上げを行ったばかりですが、来月も0.75%の利上げを再度行うという観測が浮上しています。
Homebuyers 'need a bit of a reset,' Fed chair Jerome Powell declares
アメリカの不動産バブルは一気に崩壊に向かっています。