経済のサイクルを知らないというのは、致命的です。
経済というのはあっと言う間にシフトするので、今の環境が永遠に続くと考えていると大きなトラブルに巻き込まれることになります。
私が借金をしたりレバレッジをかけるのが嫌いな理由はそこにあります。
フルローンを組んで不動産投資をして、今は良くても20-30年後も環境が変わらないなどどいう保証はどこにもありませんから。
投資家のほとんどは深刻な景気後退を経験したことがないので、感覚として分かりにくいと思います。
日本では1980-1990年代にバブルと崩壊を経験しましたが、30年前に投資家であった人はほとんどいないと思いますし、仮に覚えている人がいたとしても遠い日の記憶だと思います。
アメリカでもリーマンショックで、不動産が大暴落したことをよく覚えている人はあまりいません。
歴史の教科書に出で来るような話で、自分にはあまり関係ない出来事のように感じています。
本当に成功したければ、バブルが崩壊した時に会社を潰して路頭に迷った人達や、一文無しになった人たちから話を聞くべきなのです。
私はアメリカに投資していたので、2008年の後にバブルが崩壊を直に経験しました。
人々が生き延びるために何もかもを売り払おうとしていて、反対に私は不動産を買いあさりました。
困った投資家たちが「1軒当たり〇×ドルで30軒売りたい」と言ってくる話は毎週のようにありました。
時には滞納税金だけ払ってくれれば、家はタダであげるという話もありましたし、金融機関は90%引きで売りに出している差し押さえ不動産に入れた半額以下の指値に同意することも良くありました。
私は不動産だけでしたが、自動車や建設用重機、または材木等で大儲けした人もいたようです。倒産する企業から在庫全てを二束三文で買い上げたのでしょう。
全てが大バーゲンという時代でした。
少し前にも書きましたが、経済というのは少しずつ下落していき、ある瞬間に突然大崩壊するものです。
先月までは急成長していた会社の売り上げが突然50%減少し、支払いに行き詰るといった現象がある時突然起こるのものなのです。
社員を大量解雇し、在庫を叩き売らざるを得なくなるといったことが起こりえます。
そして大企業の倒産と大量解雇により、地方自治体が破綻したり都市全体の経済が破綻することもアメリカでは起こります。
いまだになかなか信じてもらえないのですが、崩壊する時にやられるのは正常バイアスを持っている人たちで、その中には先月までは非常にうまくいっていた経験豊富な投資家たちもいるのです。
そして自分の周りだけ見ていてはダメだと思います。というのは問題は地球の反対側からやって来ることもあるからです。
今朝、知り合いの不動産エージェントといろいろと話をしましたが、私の話は全く説得力がないようです。絶対にそんなことは起こらないと言い続けていました。
もしかしたら信じたくないだけなのかもしれませんが、、、
私も別に人に信じてもらおうと思っているわけではありませんが、もうそろそろ世界経済は危険な局面に突入するはずです。
アメリカではクレジットフリーズが起こりつつありますし、10日後にはBRICSが会議を開催します。
BRICS加盟国が西側諸国を大きく上回り世界経済の大半を占めることになりますが、彼らがリリースするのは"金本位制"というラベルを貼った偽物のお金です。
恐らく米ドルを破壊した後、BRICS基軸通貨も巻き込まれて崩壊することになると思います。
基軸通貨のドルは一気に捨てられ米国内に還流する運命ですが、日本人にとっても他人ごとではありません。
というのは日本は最大の米国債保有国であるのと、日本円も決済通貨として海外で使用されていて同時に捨てられる運命だからです。ユーロも同じです。
全てが完全に崩壊した後、時間をかけて世界は元の経済つまり金銀本位制に回帰していくはずです。
非常に緊急性の高いタイミングの今、一人でも多くの人がピンチをチャンスに変えるための準備をすることを願っています。大崩壊のタイミングはあと少しのはずです。