アメリカ不動産情報

不動産オークションはベストな選択肢なのか?

アメリカではリーマンショックを大幅に超える不動産バブルの崩壊が目前ということで、待ち構えている投資家が大勢います。

私はリーマンどころか大恐慌をさえ超えることになると思っています。

最近見ていると、この機会に資産構築をしようとして初めて不動産参入する人も多いようで、オークション参入のマニュアルを初心者向けに販売する人が急増しています。

差し押さえには複数の購入ルートがありますが、オークションはその一つです。日本で言うところの競売です。

オークションと言っても形態がいくつかあり、プライベートの会社や金融機関が開催するものもあれば、地方自治体が開催するものもあります。

そのほとんどがオンラインオークションとなっていて、今は主流になりつつあります。

それぞれに特徴があり条件は異なりますが、一般的に言ってあまり初心者向けではなく、多くの落とし穴があります。

 

差し押さえの不動産というのは、何かしら問題を抱えているものです。

そして問題というのはよく見えないところに存在するものなのですが、オークションの場合は分かりにくくしかもよく調べられないというのが最大のデメリットだと思います。

当たり前ですが二束三文で買える場合を除き、不動産は買う前にできる限りの調査をすべきですが、オークションではやりにくいのです。

購入後の手間がかかってもオークショんで家を安く買いたいという人もいるとは思いますが、ドューデリが十分できないがゆえにかえって高くつくこともあります。

もう一つのデメリットは、自分で取引条件を決められないという点です。

 

例えば、入札前に家の中に立ち入りができないことは一般的です。

つまりネット上の写真や建物の外観を見ただけで、家の価値を判断する必要があります。

買った後に想定外の問題が見つかることもよくあります。

また名義に瑕疵があることが見つかるといったケースもよくあります。(瑕疵保険を付けられない場合もある)

問題解決のために裁判を起こす必要がありかなりの出費がかかります。

私も経験がありますが、過去の取引で名義を正式に放棄していない人がいて、放棄を依頼したものの応じてもらえず裁判を起こしたことがあります。

欠席裁判で問題は解決しましたが、時間とお金が無駄になりました。

 

住人がいる状態で売りに出されている場合もあり、購入後にまずは強制退去から始めなければならないこともあります。

住人が家を差し押さえられたオーナーの場合、退去の交渉が難航することもあり得ます。

オークションの別のデメリットは競合相手がいるため、価格が吊り上がりやすく自分のペースを守りにくいというのも嫌な点です。

 

これは初心者がはまりがちな落とし穴ですが、オンラインオークションで写真写りが良い物件があると、実物も状態が良いかのような錯覚を受けることがあるのです。

しかし私の経験上、写真映りは全くあてになりません。現物を見てがっかりする結果になるのかもしれないのです。

 

私のお勧めは、エージェントを雇って差し押さえを探してもらうことです。

エージェントを雇うと決済時にコミッションが発生しますが、通常は売り手側が支払いますのであまりデメリットはありません。

エージェントは買い手の代理人をするプロなので、可能な限り買い手側にプロとしての意見を伝え、交渉もしてもらえます。

ただ管理や修繕の経験がない場合がほとんどですので、投資家目線でのアドバイスはあまり期待できませんが、

買い手として条件の交渉を依頼することは可能です。

 

差し押さえを買う時に気を付けるべきなのは、滞納税金の額です。

ほほ必ずと言っていいほど多額の税金が滞納されていて、物件価格の大半は税金として決済時に差し引かれることになります。

ここでは書きませんが、滞納税金額を減らす方法があります。毎回使えるわけではありませんができれば当然購入の条件は良くなります。

この手法はオークションでは使えません。

これ以外にも契約により物件購入権利を押さえた後に出費を減らす技があり、エージェント経由では使える技がありますが、残念ながらオークションでは使えません。

 

このような理由で私はオークションで差し押さえ不動産を買うのは、あまり好きではありません。

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