今は金融機関がこぞって不動産から逃げ出しています。
一般人も気付き始めていますが、ほとんどの人は逃げ遅れるか逃げられないと思います。
金利上昇とともに下落する不動産市場ですが、金融機関が巨額の損失を出していることがあちこちで報じられています。
モルガンスタンレーは大恐慌よりも酷い下落が待ち受けているとし、商業不動産はリーマンショックと比較してそこから40%下落すると予測しています。
リーマンショックでアメリカ不動産は50%下落したと言われています。
複数の金融機関がMBSを急いで処分しようとしたり、ブラックロックその他のREITへの出金要請が相次ぎ、引き出しを停止したことは既にお伝えしたと思います。
商業不動産の壊滅により、どこかの金融機関が破綻する時に一気に大暴落が始まることになります。
不動産は世界的に下落傾向ですが、それでも国によって下落幅が異なります。
やはりバブルが激しい国では下落が激しく、年間10%以上下落している国もあります。
下落のトップはニュージーランドとスウェーデン、そしてオーストラリア、カナダ、韓国そしてドイツと続きます。
かつてニュージーランドとオーストラリアでは、不動産価格は決して下がらないと考えられ、バブルは膨張する一方でした。
ニュージーランドでは全国的に不動産が一年で10-20%程度下落しています。首都のウェリントンでは20%の下落となっています。
最大都市オークランド近郊でも大幅な下落が進んでいます。
今月に入りNZ中銀は突然0.5%の金利引き上げを行い、今後も継続する方向のようです。
つまり不動産の下落はまだ続いていくということです。
先月の時点では住宅ローン未払いによる差し押さえが二倍になったことが報じられていました。
ここで挙げられている数字はあくまでも中間値であり、個別のケースではもっと損失を出すこともあります。
例えば、2.3Mで購入した物件を一年後に1.3Mで手放したため、100万ドルを損した人のことが報道されていました。
不動産バブルによって支えられてきたNZ人の生活と金融機関は、不動産価格の下落の影響を大きく受けています。
今騒がれて始めているのはアメリカの金融機関の破綻が波及するという懸念です。
金融危機によりNZの金融機関が破綻に追い込まれる場合、預金は保護されない可能性が高そうです。
私はアメリカ以外ではNZの不動産に注目していますが、こちらも金融機関の崩壊待ちなのかもしれません。
なぜNZが良いかというと、世界で最も安全な国の一つだからです。世界が大混乱になる時に、逃亡先として有望な国の一つです。
NZのような国では人々は不動産価格が下落することをほとんど想定しておらず、かなりのレバレッジを効かせています。
不動産を信じている人が多いのである程度は踏みとどまると思いますが、それも一時的なものでは最後には支払いをやめて放り出すことになると思います。