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2023年のアメリカ不動産の見通し

投資の世界では「落ちてくるナイフを掴んではいけない」ということわざがあります。

株式で使われることが多いようですが、アメリカの不動産でも当てはまります。

不動産は上昇相場では、勝手に儲かりますが、下落相場で利益を出すためにはリテラシーが求められます。そのかわりかなりの利益が出ます。

私が知る限り10-20年以上もアメリカで不動産投資をしている専門家はあまりいないので、下落相場で何が起こるのかを知らない人が多いと思います。

上がる相場で儲かるのはサルでもできます。どこからか資金調達してきて買えばいいだけですが、いったん下落しはじめると途端に苦境に立たされます。

不動産はずっと上がり続けると信じ込まされた人たちは、今回の下落相場で軒並みやられることになります。

来年は完全に落ちることになります。

 

統計によっても異なりますが、今年に家を買った人たちは既に価格の下落で損失を出していますが、27万件とも45万件とも言われています。

不動産が下落するにつれてこの数は増えていきますし、耐え切れずに売りに出る人も増えています。

270,000 homebuyers who bought in 2022 are underwater on their mortgage

Here's How Many Homeowners Could Be Stuck With 'Underwater' Mortgages in 2023

今は急いで損切でもいいから売り出い人が多いようですが、彼らがこれから経験するのは販売価格で損をするだけではなく、損切の取引に対しても税金が取られるということです。

これらは自宅を購入した人たちですが、Airbnbを購入した人たちも同様の運命です。

変動金利で不動産を買った人たちも逃げ切れません。この中には不動産のデベロッパーや転売業者がいます。

彼らの大半は変動金利で借り入れをしており、突然の市場の変動に耐え切れず、倒産が相次いでいます。

原材料の高騰、人件費の高騰そして金利の高騰により追い込まれているわけです。

そして今は、来年にローン期限が切れリファイナンスをしなければならない人たちも、急いで売りに出でいます。

不動産の下落傾向に拍車をかけるのは失業率の上昇です。

先日は失業率のデータを改ざんしていたことが表面化したという報道がありました。

FRB、失業率予想を上方修正か-積極利上げで景気後退懸念広がる

来年になると、今は売るかどうか迷っている人たちも、売らざるを得ない状況に追い込まれます。

 

下落相場で買うということは、問題を引き受けるということでもあります。

先日、ある物件をエージェントが持ってきました。まだ建てて2年ほどの物件ですが、入居率が半分ほどしかなくすでに売りたいというわけです。

良さそうな話に思えますが、買った瞬間に隠れた問題が続出することになりそうです。

新築なのに入居率が低いということは、数字では分からない問題があると思います。

管理の問題なのかそれとも問題のある入居者がいるのか、それとも家賃が高すぎるのか、複数の問題が想定されます。

すぐには売れないはずなので、もう少し様子を見てから打診しようかと思っています。そのころには問題はもっとはっきりしているはずです。

ちなみに来年1年で都市により30%-70%下落すると考える専門家が大半です。

タンパ、フェニックス、ラスベガスといった都市の特定のエリアでは不動産投資家の保有率が50%を超えており、特にここ数年の間に購入した物件が多いようです。

これについては後ほど、記事にしたいと思います。

 

下落相場での不動産投資に成功するためのカギは2つあります。

一つはキャッシュフローの確保、そして余剰資金を常にプールしておくことです。これがあればトラブルが発生しても、耐え切れます。

 

これからアメリカで起こることですが、アメリカでは住宅が慢性的に不足しています。

過去数年間の間にデベロッパーは一気に建築をはじめ、やや解消されましたがそれでも足りていません。

それに加え、家を失った人たちは今度は賃貸不動産の借り手になりますので、良質で格安の賃貸不動産のニーズは高まると思われます。

(反対に賃貸のニーズが減少するにつれ、家賃が下落すると考える専門家もします。)

今回の経済危機は2008年のリーマンショックよりも格段に悪いはずなので、より注意深く投資する必要がありそうです。

そこで経験することになるトラブルは、投資家をより賢くするものとなると思います。

 

別の件です。

先日の日銀の事実上の利上げにより、巨額のマージンコールが発生しているようです。詳しくは分かりませんが保険会社のようです。

恐らく水面下での救済に動いていると思いますが、恐らく数週間の間に連鎖的にマージンコールがあちこちで、発生することになると思います。

金融機関への波及には要注意ですね。

EMERGENCY MARGIN CALL(2022/12/20)

あと利上げにより日本円のキャリートレードがやりにくくなり、流動性に問題が発生しつつあるという観測もあります。

How the BOJ's Move Will Reverberate Across Global Markets

 

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