少し前からヘッジファンドがアメリカで不動産を買いまくっていることは報道されていますが、どうやらそれには理由があったようなのです。
その理由はあとで説明するとして、どれくらいの数の不動産を買いまくっているかについて、一例がこの記事に出でいました。
Pretium-backed venture targeted distressed suburbs to become mega-landlord
プレチアムというヘッジファンドですが、毎月2000件の一戸建て物件を買っていることが報道されています。
アルゴリズムを使い、選択した物件に対しすべて現金で買い付けを入れることにより、ものすごいスピードで不動産を買いまくっています。
一年間に24000件というものすごい件数を買っているわけです。
都市によっては、保有する件数が多すぎるため、不動産市場がタイトになりすぎているようで、一般の自宅購入者はいつまでたっても買えない状況が続いています。
これはただ一つのヘッジファンドの話で、他にも無数のファンドやお金持ちが同じことをやっています。
Real Estate Rumors: BlackRock, Atlas Capital, Garchik
噂レベルの話ですが、パンドラペーパーに出で来るようなタックスヘイブンに隠してあるお金を動かして、不動産を買う大富豪がほかにもたくさんいるようです。
彼らが狙っている都市では、不動産価格が高騰するだけでなく、家賃もこの1年間で30%も上昇するという現象もみられるようになっています。
彼らがなぜ今不動産に殺到しているかというと、表向きはインフレへのヘッジということなのです。
インフレのヘッジ方法はほかにもあるにもかからず現物資産に急いで資金を投入しているのには、米ドルの破綻を織り込んでいるという理由があるようです。
あるインサイダーが述べていましたが、資金の置き場所に困っている金持ちたちが、現物資産である不動産を現金で大人買いしているということのようです。
紙幣であれ、銀行口座の数字であれ、米ドルが破綻すればすべてがゼロになる前にその前に現物資産に変えてしまおうということなのでしょう。
もちろん不動産はエリアにより特性が変わります。
そして今後の展開も不安定ですが、加熱する都市ではさらに価格が急騰し続ける可能性が出できました。
その反対に、彼らが手を出さない都市では暴落傾向が顕著になるのかもしれません。
いずれにしても中流階級や、これから自宅を買おうとする人たちにとっては非常にやりにくい事態になりっています。
今後、少なくとも5年くらいは加熱する都市に住む人たちにとって、賃貸不動産に住むというのは、悪い選択肢になりかねません。
できれは固定金利の30年ローンとかで家を買うのが理想なのかもしれませんが、今の時期に負債を負うのもまたハイリスクかもしれません。