これはなかなか難しいことですが、価格が安いということは難ありという場合が多いです。
不動産にしてもレストランにしても、価格が安いということはそのものに問題があったり、マーケットに問題がある場合です。
特に、今年は安くなるものもたくさんありそうですが、激安になるものを買うということは、言い換えれば問題も一緒に引き受けることも意味します。
投資なので、安く買い問題を解決してからホールドすることにより利益が出ることになります。
つまり買い手は問題を解決するために、できることをしなければなりませんし、それにはお金がかかったり、仕事をしなければならなかったり、また辛抱を強いられる場合もあるでしょう。
マーケットが暴落したから、安く買って何もせずに儲けたいのであれば、買う資産をよく選ぶ必要があります。
不動産に関して言えば、丸投げすれば何とかなるだろうという考えは甘いと思います。
当然、レストランやホテルのようなビジネスを買うとすれば、さらなる問題解決力が必要です。
先日、ホテルが大バーゲンになるという話をしましたが、今あるホテルの売り主と交渉をしていますが、なぜ売りたいのかが分かっている場合はいいのですが、そうでない場合はそれを突き止めないといけません。
ということで、物件の情報だけでなく経営状態を調べることにしました。
すべては開示してもらえませんでしたが、数か月分だけは見せてもらえました。
例えば、これはコロナ前の2018年。
月の売り上げが$65796で、すべての経費を払った後に残るのはたったの$3439だけです。
こちらは2019年、こちらもコロナ前です。
売り上げが$46,066。支払いが$55,338。 $9272のマイナスです。
この感じでは、コロナ後は毎月持ち出しが続く状態だと容易に推測できます。
売買履歴を確認したところ、このようなデータが見つかりました。
2018年に$283,000で購入したものの、ホテル経営は思うようにいかず、そうこうしているうちにコロナが発生したということのようです。
購入した時よりも不動産価格が上がっているようなので、購入時よりも高い値段で何とか売り抜けたいというところなのでしょう。
ちなみに物件の価格は$395,000。
最初は安いかなと思いましたが、経営状態を見る限りその価値はどう見てもなさそうです。
正直に一部の経営状態を開示してくれたことは評価できますが、恐らく開示してくれなかった月はさらなるマイナスなのでしょう。
ビジネスを買うという視点で考えると、その価格はマイナスです。
売り手のローンの残額は$286,000。毎月のローンの支払いが$4740。
ホテル経営のマイナスが、少なくとも$5000で恐らく$10000くらいにはなるだろうと推測されるので、毎月$10,000-$15000のマイナスが続いているわけです。
これに耐えられる人はあまりいないでしょう。
恐らく差し押さえの一歩手前だと推測され、メールの反応からしてかなり焦っている感じが伝わってきます。
他に買い手が簡単に見つかるとも思えなすので、言い値の半額くらいの買い付けでもよいのかもしれないと考えています。
20-22万ドルくらいで買えれば、かなりのお買い得と言えそうです。
その場合、ざっと見ても利回りは25%-30%くらいになると思います。
現状負債となっているビジネスを引き継ぐので、マイナス分を負担するのは先方であるべきです。
投資家数人ずつ集めて、こういうディールを一つずつまとめていくのも面白いかもしれません。
例えば、投資家一人当たり500-700万円くらいで、3-4人で法人をつくり、ホテルを買う。必要であれば融資も引けると思います。
特に差し押さえのホテルであれば、その金融機関がそのまま融資を出す場合もよくあります。
たくさんホテルが売りに出ていると、普通の投資家はホテルを買わないので、完全な買い手市場になると予想されるのと、
機関投資家は小規模のホテルには見向きもしないので、個人投資家にとって良いチャンスだと思います。