アメリカでは時々、警察官が黒人の犯罪者を射殺すると無関係の黒人による抗議デモが起こります。
私はこのいう話を聞いてもあまりピンとこず、なんでかなと不思議に思うことはありましたが、それほど深く考えることもありませんでした。
犯罪者が警察に射殺されたことが、どうして人種問題になるのか、日本人としては理解不能でした。
ただアメリカでビジネスと投資をするうえで、この問題を無視することはできません。
日本では人種問題がないので、外国人を相手にする時に日本人か外国人かくらいの区別、あるいはアジア人かヨーロッパ人かくらいの漠然とした感覚しかないのが普通です。
ですから、何かの発言やビジネス上の取引をする時に、人種差別的な感覚を持たずに何かを行うことがよくあります。私もこれでミスをすることが時々あります。
私は基本的に、どんな背景を持っていたとしても、白人であろうが黒人であろうがアジア人であろうが、人間は人間という考えを持っているので、差別的な発言をすることはありません。
しかし、相手側にそうした考えがあったり、差別されてきた経験がある場合、ごく何気ない話が差別だと受け取られることがあるのです。
以前、一時使っていた不動産の修理業者は黒人でしたが、いい加減な仕事をしたので、そのクレームをきつく入れたところ、相手はクレームを人種問題にすり替えてきてことがありました。
この業者は悪質だったので、弁護士に裁判をすることを依頼しましたが、弁護士いわく白人の裁判官の法廷で、アジア人が黒人を訴えるというのは、あまりよくは映らないというのです。
最近も取り組んでいる案件で雇おうかと考えている黒人の人と契約内容の交渉をしていました。
弁護士に契約書のドラフトを作成してもらい、内容のすり合わせをしようと思い、修正の希望があれば教えてほしいと伝えたところ、先方からは「こんな屈辱的な内容の契約書を送ってきて、アンタは何様だ」的なメールが突然送られてきました。
取引条件を交渉するのは、ビジネスの基本だと思うのですが、先方は私が相手を見下していて、相手に都合の悪い契約を押し付けようと勝手に思い込んでキレたようです。
アメリカの黒人といっても、背景によって違いがあるようですが、アフリカ系の人は人種差別で虐げられてきたという歴史があるため、変なところで反発してくるので、かなりやりにくいです。
知らない人からすると、「それは違うだろ」と思うのですが、相手はそう思い込んでいるので厄介です。しかもその反発の仕方が、これまで長年積み重なった恨みのようなものが一気に噴出するので、地雷を踏んだような気分になります。
こちらがそのことを全く意識していなくても、相手はそれを過ごし意識している場合があるので、アメリカで黒人とビジネスをする時には気を付けてくださいね。
個人差はあるとは思いますが、危ないと感じたら距離を置く方が無難です。