私には探偵の知り合いがいます。
元警視庁の方たちでチームを組んで働いていて、過去には大規模犯罪を調査した経験もあるそうです。
相談したいことがあり、先日久しぶりにお会いしました。
判断に迷っている件があり、相談したうえで、背後関係を少し調査してもらおうと考えていました。
年配の方ですが、様々な犯罪捜査をしてきた人の見方というのは、弁護士とも違い、直観的な感覚を大切にするアプローチです。
話をした時に、彼らがどこに注目をするのか、それを聞くだけでもかなりの参考になります。
本人曰く、話のストーリーで違和感を感じるところを掘りさげるのが調査の基本だそうです。
例えば、経歴が立派すぎる人はどちらかというと要注意だと話していました。
有名大学を卒業し、海外でMBAを取り、一流企業に就職し、その後独立して会社を経営しているなどという経歴を聞くと、はてなマークが浮かぶと言っていました。
最近でも、一流企業の創業者が、非常にはずらしい経歴を持つという娘の婚約者に違和感を感じたので、調査を依頼してきたそうです。
しらべたところ本人が語る立派な経歴は全くの「でっち上げ」で、経営していて、「多額の収益をあげているという」会社は倒産寸前で、自宅も家賃の滞納で強制退去の寸前だったそうです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、「そういう経歴の人はホンモノかニセモノのどちらかだ」そうです。
会社に関していえば、帝国データバンクやなどに出てくるデータなどはすべて「自己申告」なので、盛られている可能性が非常に大で、その裏を一つ一つ取っていくとも話していました。
細かな違和感や話の食い違いを見つけ、そこを徹底的に調査するそうです。
あと人の生い立ちというのは大切で、予算に余裕があれば家族関係と生い立ちは洗った方が良いとも話していました。
調べていくと、実は本人だと思って話している人が全くの「別人」だったり、外国人だったりすることもまれにあるそうです。
人の生い立ちが人の行動パターンに与える影響は大きいのでしょう。
犯罪者の家系に生まれ育っていることは、犯罪に手を染める可能性が高いそうです。
探偵なので、ビジネスとか投資の判断はできないとは言っていましたが、事実関係を確かめるための情報源としての利用価値は間違いなくあります。
探偵は地味な仕事ですが、地道な調査の上、浮かび上がってきた情報により、真実が見えることも多いと思います。
ウソや誇張をそぎ落とした後に残るものが何なのか、それが分かれば判断を間違えることも減ると思います。
費用はかかりますが、案件のドューデリの過程で、探偵に依頼するというのも選択肢としてはアリだと思います。