ウクライナで不動産を買うためには、かなり入念な下調べが必要です。
というのは、他の国とは異なり不動産登記のシステムが統一されておらず、登記情報があったとしても、不完全な場合がほとんどです。
ですから買う前段階として、物件の所有権にまつわる情報を独自に調査する必要があります。
物件の「売り主」が物件を売る権利を持っているかの調査が必要になります。
調査に結果、売り主が物件すべての権利を持っていない、また未払いの公共料金があることが判明したり、中には政府高官がマネーロンダリングのために不動産を売却していたりすることが分かる場合もあります。
こうした情報はデータベースにアクセスするだけではわかりません。知り合いに聞いたり、非公開の情報をしらべたりして物件の背後関係を調べるので、弁護士というよりは探偵の仕事に近いのかもしれません。
新築プレビルドを買えばそうした問題は避けられますが、違う問題があります。
ウクライナでデベロッパーは建設許可を取るために、よくワイロを払うことがあり、建物の完成がまじかになった時に、政府が建物の安全基準が満たされていないとして、水道と電気の接続を許可しないということがよく起こります。
あとは建設途中でデベが倒産することもあります。仮に倒産すると、物件を購入した人たちは追加の支払いをして、別の業者に工事を続けてもらうか、そのまま放置をするかのどちらかの選択を迫られることになります。
いずれにしても、経験のある弁護士を見つけておかないと、安心して不動産取引はできそうにありません。