ロシアが金本位制を導入し、原油取引を金で行う可能性を指摘したことを先日の記事の中で触れました。
これについてはただのうわさに過ぎないとする意見もありますが、ロシアのメディアと複数の英語のメディアでも報道されていたので間違いないと思います。
ここにきて複数の専門家が事態の深刻さを指摘し始めています。
どこの国の通貨も紙切れになると指摘する専門家もいます。
Fiat Currencies Are Going To "Fail Spectacularly": Lawrence Lepard
ロシアは原油の価格を金価格に対して大幅に低く設定する可能性が高いわけですが、その際にアメリカにはいくつかの選択肢があります。
ただそのどれを選択したとしても、結果に大差はありません。
- 金価格をはるかに高く改定することにより、ドルを引き下げる。
- 原油価格と金価格を崩壊させることにより、ドルを切り下げないようにする。
- ロシアと中国との取引をすべて停止し、ドルの切り下げをしない。
この選択肢のどれかを選択する以外にはないのです。そしてどれを取ったとしても、アメリカ経済は壊滅的な影響を被ります。
そして歴史が繰り返すとすれば、アメリカは1番目の選択肢を取るはずです。そしてそれはかなり大幅なものとなるはずです。
そしてこれにはもう一つ別の意味もあります。
国の通貨というのは国債の裏付けに基づいています。そして特にアメリカがそうなのですが、米国債はエネルギーに依存しています。
ロシアというエネルギー産出国を世界経済から外すということは、米国債と通貨を崩壊させることにもなります。
つまり、西側諸国はロシアとの戦いですでに大敗北を喫していることになります。
国債バブルはこれまで100年間も続いてきており、この崩壊がすでに始まりつつあると考えた方が良いようです。
このバブル崩壊はどの不動産バブルや株式バブルといったものの崩壊よりも何十倍も破壊力があり、国家のデフォルトを引き起こすものです。
いずれにしても計画的な大崩壊の後、グレートリセットを計画していたはずなので、崩壊させることは計画のうちだと思すが、リセットの道筋は立っていないと思います。
ロシアによる金とエネルギーを使った経済戦争は、米経済そしてひいては世界経済を完全に破綻させるほどの威力があるということです。
これは今生きている人はだれも経験したことがないレベルのバブル崩壊が始まったということのようです。
今週はFOMCが予定されており、ついに利上げをするのかと期待されていますが、FRBはギリギリになって態度を変えてきました。
ブルームバーグが「利上げを遅らせるべき」という内容の記事を掲載しました。
まだリセットの準備はできていないのかもしれません。今のアメリカ経済はポンジー詐欺なので資金注入をやめる瞬間に崩壊します。
利上げするか、それとも国債バブルを崩壊させるのかという究極の選択を迫られることになりそうです。
恐らくウクライナ危機を理由に利上げを見送ると思います。
FOMC、金利軌道に慎重とエコノミスト-不透明感増す中で会合へ
FRBの終焉もすでに見え始めています。