アメリカでは法律の改正を利用した不動産詐欺が横行しています。
その多くはAirbnb関連のもので、多くの人たちにかなりの被害を与えるものとなっています。
最近、報道されたのはニューヨークで"Airbnbのウルフ"と呼ばれる人物です。
"違法なAirbnb"経営をしていたとして、ニューヨーク州で五年間の間、不動産を購入することが禁じられてしまいました。
この人は複数の不動産大家と不動産の賃貸契約、時にはビルを丸ごと借りることもあったそうです。
彼がしていたのは、ニューヨーク州が強制退去の一時停止命令を出したこと、そしてその法律が終わった後も裁判所が混雑していて、強制退去が進まないことを逆手に取り、家賃を全く払わずに借りた不動産をAirbnbとして貸し出し、巨額の利益を得ていました。
裁判には半年から一年もかかることもあったようです。
ある裁判記録では、彼は45万ドルの未払い家賃があることが申し立てられたものの、本人は裁判では"パンデミックによる苦境のため"、家賃の支払いができないと答弁していたようです。
別の裁判では223000ドルの未払い家賃があることが申し立てられています。
しかし、彼はSNSでプライベートジェットを保有し、豪華なホリデーを楽しんでいたことを自ら書いていました。
強制退去の一時停止が行われている間と、その後の裁判の間にも彼はAirbnbを運営し続け、巨額の利益を上げていたそうです。
彼に不動産を貸し出した大家は、裁判を起こして強制退去をしようとするものの、本人の居場所がなかなか見つからず、裁判が始められないという事情もあったようです。
強制退去を遅らせるための作戦だったのでしょう。
元手はゼロで家賃を貰えるわけですが、丸儲けということなのでしょう。
いかにもアメリカらしい話ではありますが、こういうことが起こるのがアメリカです。
これはかなり極端な例ではありますが、不動産投資家としては誰に貸すのかで大きく結果が異なるといういい例ですね。
こういう人に貸すと、不動産の差し押さえに追い込まれる場合もあるので要注意です。