原野商法とはほとんど価値がない土地を価値があるように見せかけ、あるいは将来に価値が上がると見せかけ高値で買わせる詐欺のことです。
こういう話があるのは聞いていましたが、最近初めてその事例を見ました。
ハワイに巨大な土地を持っていて、売却したいから手伝ってほしいと依頼されたのが事の始まりでした。
かなり昔に買っているから、価格も3倍くらいにはなっているはずだというので、今の査定額、納税状況そして過去の取引履歴を調べていて、実は価値があると思っていた土地にはそれほどの価値がなかったということが判明しました。
買った当時はインターネットも発達しておらず、ただハワイというあこがれだけで可能性を感じて、大金を支払ったのでしょう。
結局、査定をしてみたものの、いま売りに出しても当時に支払ったお金を取り戻すことはほぼ不可能で、買い手を探すことさえかなり困難な状況です。
取引履歴を見て判明したのですが、この原野商法をやった会社は、実際の仕入れ価格の36倍で土地を売りつけていました。
こんな高値で買わされては、いくら値上がりしているといっても、そこまでは上がらないでしょう。
土地を持っていれば固定資産税もかかるし、損切をしたくても買い手をみつけることすら難しい原野商法。
情弱者を見つけて、騙すというかなり悪質な詐欺の内部を見てしまいました。
購入前にアドバイスができる経験のある投資家が周りにいなかったことが悔やまれますね。
土地の価値というのは見極めるのが本当に難しいものです。