今のような債務をベースとする経済の場合、人々の信頼がなくなったときにすべては終わります。
ですから、中国は不動産バブル崩壊と債権の問題がまるで大したことがないように扱い、アメリカは債務の上限の問題を先延ばしし、そしてFRBは国債の金利をあたかも自由に操れるかのような雰囲気を醸し出します。
逃げきれない大問題があるにもかかわらず、まるで大したことがないかのように演出し、最後の最後まで人々を騙し続けようとするわけです。
ですから、政治家とメディアの言うことを真に受ける人たちは、逃げ遅れます。
少なくともFRBに関しては、世界中を騙しながら金融緩和を続け、資産を買いまくっています。テーパリングをするといい続けていますが、おそらくそうすることはないでしょう。
毎回何かの理由をつけて先延ばしをし、その間にもインフレはどんどんと進んでいきます。
最後は何かのせいにして、逃げるつもりなのでしょう。
いま世界で起こっているエネルギー危機と物不足は、本質は貨幣価値の大幅下落が問題の原因で、それを起こしているのは各国の政府と中央銀行です。
嘘つきといえば、日本も負けてはいません。
数日前に財務次官が日本国家の財政破綻の可能性について言及し、バッシングを浴びています。
財務次官、モノ申す「このままでは国家財政は破綻する」/矢野康治――文藝春秋特選記事【全文公開】
「このままでは国家財政は破綻する」矢野康治財務事務次官が“バラマキ政策”を徹底批判
そのあとに、御用学者たちが日本は財政破綻しないという内容のプロパガンダをやり始めました。
矢野事務次官の寄稿は「財務省の事務方トップが“会計学に無知識である”ことを世界に晒した」 ~高橋洋一氏が指摘
世良公則が矢野事務次官の“バラマキ批判”を疑問視「経済を理解しない国会議員官僚はいらない」
財務事務次官「異例の論考」に思わず失笑…もはや隠蔽工作レベルの「財政再建論」
私は国家であれ、一個人であれ無責任な財政を行えば、いつかはつけが回って来るというのは当然の考えだと思います。
御用学者たちが必死に火消しに走ること自体が、より一層事態を怪しく見せていると感じるのは私だけではないでしょう。
国家が破綻しないと真剣に信じている人たちは、過去の歴史で何度国家と通貨が破綻してきたのか、調べてみるべきだと思います。
今はアメリカですら破綻寸前なわけですから、日本の破綻は絶対にないと言い切れる人はいないはずです。
今回の経済危機で無傷なのはロシアだけでしょう。
私はこの次官は、更迭されることも覚悟で、国民に何かを伝えたかったのだと思います。
今、世界中でインフレ懸念が高まっていますが、これまで何とかしてインフレを引き起こそうとしてきた日銀はほくそ笑んでいることでしょうね。
もしかしたら、本当に日本は財政破綻しないのかもしれませんが、そのツケを払うのはだれになるのかということだけは確定しています。
それは金融封鎖なのか、デノミなのか、増税なのか、はたまたその三つの組み合わせ+仮想通貨の規制となるのかもしれませんが、ツケを誰かに負わせる準備だけは整っているように思えます。
いずれにしても、うそに騙されて逃げ遅れることがないようにしたいものです。