ウォーレン バフェットの有名な格言に次のようなものがあります。
「潮が引いて初めて誰が裸で泳いでいたかが分かる」
好景気の時はうまくいっているように見えても、それがその人の実力によるものなのか、それともただ運がよかっただけなのかは不景気になるときにわかります。
マーケットが上がるときには、いわゆる「専門家たち」は買いあおりますが、下げ市場を経験したことがない人も多いものです。
つまり、たまたまタイミングが良かったので成功したに過ぎず、それを実力と勘違いしたのか、それとも本当に実力があるのかどうかはマーケットが下がるときにわかるものです。
もちろんタイミングを計るのも実力のうちではありますが、それだけでは足りません。
最近、私の取り合いのある不動産会社が廃業しました。
ニューヨークの不動産管理会社の人でしたが、ここ数年不動産市場が好調だったこともあり、かなりのスビートで不動産を買い進めていました。
私が知る限り、借りれるところからは最大限に借りて不動産を買い進めていたようで、私から購入したときは、オーナーファイナンスでの販売でした。
最近は借入額もそうですが、返済のために家賃をかなり高めに設定していたことも災いして、空率に悩んでいたようです。
昨年の年末ごろから私への支払いも送れるようになり、先日ついに会社を閉めることにしたようです。
私への滞納の支払い分がかなりあり、半年ほど請求を続けていました。
本人は「払う払う」というものの、実際に支払いをしてくる見込みがなさそうでしたので、不本意ながら弁護士に依頼し、資産の差し押さえに入りました。
私が弁護士対応をするとは思っていなかったらしく、かなり恨み節でした。
これまでに購入した不動産が次々と差し押さえの対象になっているようで、ほとんどの資産を失うことになりそうです。
よく言われることですが、投資家としてマーケットが上がるときだけでなく、下がるときにも生き残り、しかも利益を出せるようになることを目標にしないといけません。
しかし多くの人は、この人のように上がるときには儲かるのですが、結局はやられてしまうものなのです。
投資なので過程で、失敗をすることもあるとは思いますが、生き残れさえすれば、次につながります。それは不動産も同じだと思います。
ごく身近なところでの出来事であると同時に、私にとっても起こりうることなので、余計に考えさせられる出来事でした。