貴金属の価格操作の件は何度も書きましたが、今の経済システムが崩壊すると貴金属だけでなくすべての価格操作がなくなります。
その時には、物は通貨ではなく金と銀に対しての価格へと回帰していくことになるはずです。
今我々が普通だと思っている"価格"というものはなくなり、その変化は我々の生活に影響を与えることになります。
現在の金価格は$2000ですが、仮に価格が上昇して$20000になるとするとしましょう。
その場合の生活の状況は、結構指輪の値段が10倍になるけれど、他のすべては変わらないというのとはかなり違います。
以前にも掲載した図ですが、ピラミッドの基礎にある金が激しく動くとそれに依存しているものすべては変わることになります。
現状、表向きは通貨と金の価格というのはリンクしていないことになっています。
FRBのバランスシートでは金は1オンス=$42で計算されていますが、誰かが$42を払おうとしてもFRBが金を売ってくれるわけではありません。
通貨と金がリンクされるということは、物が金とリンクされるということになります。
誰もが知っているとおり、通貨の価値というのは時間の経過とともに下落していきます。
今日の$100の価値と明日の$100の価値は同じではありません。
であれば早めに使ってしまうか、早めに金に換えてとしまう方が賢いということになります。
そうなると金と銀の価格は大暴騰することになります。
本来、物の価格というのは金の価値とリンクしているものです。
まだリンクしている頃の1971年に、金は$35でコーヒー1杯は5セントくらいでした。
金とコーヒーの価格がこの割合でリンクされるとすれば、価格はずいぶんと変わってくるはずです。
仮に金の価格が$60000になるとすると、コーヒー1杯は$60-$90になります。(生産能力や技術革新といったの要素を排除しての話しです。)
そうなると、スターバックスで$70を払ってコーヒーを飲もうとする人は誰もいなくなります。
ものすごいお金持ちであったとしても、コーヒーに$70を払いたいとは思わないでしょう。
となると実に様々な影響が起こります。
スターバックスの支配人は、スタッフを全員解雇し店じまいをするか、メニューをコーヒーだけにしてフラペチーノやモカラテといったメニューを廃止することになるのかもしれません。
そしてありとあらゆる経費を削減して、コーヒーを低価格にしようとするかもしれませんが、それでもコーヒーは$25もするため誰も買いません。
スターバックスの株主たちはマージンコールを出して、大損をするかもしれません。
これは一つの例ですが、生活の中のありとあらゆるものに同様の影響が起こることになります。
いわゆる贅沢品と考えられるものは、スタバ同様の影響を受けると思われます。
人々は生き残るため、必要最低限の食料品と光熱費を確保しようと必死になり、贅沢品や余分なものはすべて削減することになります。
あっと言う間に贅沢品のパニック売りが始まります。
ガソリンを大量に消費するフェラーリやランボルギーニは大暴落する反面、お米の価格は大暴騰することになります。
リッター当たり4-5キロしか走らないハイオク仕様の車を欲しがる人は誰もおらず、中古車があふれることになります。
この時に仮想通貨の価格も大暴落することになるのかもしれません。仮想通貨のほとんどはドルのデリバティブだからです。
この時に、金と銀を持っている人たちは大バーゲンで資産を入手することができるようになります。
高級不動産が銀75オンスで購入できるようになるのかもしれません。
金と銀を保有している人たちは、この時に突然不動産投資家になったり企業の大株主になり、新しい世界の基盤を築く人たちの仲間入りをすることになります。
上の書いたのはシナリオの一つに過ぎませんが、金がモノの価格にリンクされるようになり、価格が高騰すると起こると考えられていることです。
生活品の価格高騰はインフレではなく、貴金属価格の再評価の影響として起こりうることです。
金銀価格の高騰は近いと思われますが、コーヒーの例は将来を想像するのに役立つと思います。