私は幼少期からの英語教育はそれほど重要ではないと考えています。
これは程度にもよりますが、すこしだけ勉強させるのはOKです。
ただ、英語のネイティブにさせたいと思うがあまり、幼少期から留学させると、得るものもありますが失うものも大きいものです。
親の英語や英語文化に対する憧れが強すぎる場合によくあるのですが、これをやってしまうと子供は日本人としてのアイデンティティを失ってしまいます。
確かに幼少期は吸収力もよく、言語力も伸びやすいのですが、その時期に何を吸収させることを優先すべきかという判断になります。
日本人の子供として、日本文化に接し、日本語を学んで少しずつ日本人としてのアイデンティティが形成されていくものです。
まだそれが全く形成されていない段階で、「自分だけが周りの子供と違う」という環境に置くのは、酷だとおもいます。
その時期に英語環境で生活させると、当然ながら日本人としてではなく、アメリカ人とかカナダ人として育つことになり、国籍は日本人、外見も日本人なのに中身だけは外国人というジレンマに陥ることになります。
つまり日本に帰ってきても、周りから見て日本語が変だし、日本人としてはかなり違和感があるし、そのまま外国で住んでいても、やはり外国人として見られるわけです。つまりどこに行っても外国人と見られ、本人も自分がどこの国の人間なのか分からなくなる場合が多いようです。
ひどい場合だと日本語より英語が上手、あるいは日本人なのに日本語が全然できないというトラブルに巻き込まれる場合もあります。
俗にいうBanana(表面は黄色いけど、一皮むけば白い奴)というやつです。これは子供が中学生くらいの年齢になると大きな問題になる場合が多いようです。
英語ができない憧れが強すぎる親のエゴを子供に押し付けると、思わぬ結果を生むことになりかねません。
ですから英語教育は子供が日本人としてのアイデンティティが確立されるまでは、少しだけ接する程度にしておいたほうが無難なようです。
英語は所詮、ただのコミュニケションとしてのツールに過ぎないので、中身の方が大切ということになります。