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他力本願系案件をやる人のリテラシー

投資セミナーに行ってみると、よくある案件構成として以下のようなものがあります。

  • スタート時は物件の選定から工事業者の手配まですべてパッケージ化しているので遠隔地の投資家・事業家でも問題はない
  • 運営開始後は業者がすべて行うのでオーナーには手間は一切かからない
  • 収益が安定しているので事業リスクは非常に低い
  • 節税スキームのメリットが享受できる
  • 返済が終わったら資産が積みあがり年金代わりになる
  • レバレッジをかけられるので少額の自己資金を高利回りを実現できる

 

まあ、分かりやすい話、「楽して儲かります」みたいなことを強調するわけです。

そしてこういう「他力本願系案件」には一定のニーズがあります。案件にあまり詳しくない人、楽して儲けたい人が集まってきます。その中には老後に不安をおほえるにわか投資家も含まれます。

かぼちゃの馬車みたいなのが、典型的な案件です。

 

こういう案件をやる人たちが理解していないのは、どのような案件でも長期間成功しているのは、投資ではなく、事業として取り組む人だということです。

事業ですから、運営の内容やリスクの管理、あとお金の管理まで丸投げではなく、自分で理解し、管理しようとしなければならず、問題が発生すると、自力で解決しなければなりません。すべてを業者に丸投げして、楽して儲かると考えている人はほぼ皆無だと思います。

私は丸投げ系案件に飛びついて成功した人に会ったことはありませんし、それをすると業者に一番おいしいところをすべて吸い取られて終わってしまいます。

こういうリテラシーの低い人に限って、投資が失敗した時に他人の責任にするものです。

かぼちゃの馬車の事件では、業者と銀行を非難する報道ばかりが目立ちますが、結局のところ、契約をしたのは投資家です。別に脅迫されたわけでも何でもありません。

その中身を精査せず、数字をよく計算せず、一般常識に照らして、業者が言うことが本当なのかを考えもせずに億単位の借金をしたのは投資家本人ですから、本人の責任が一番大きいです。

そういうわきの甘い人たちですから、悪いのは業者と銀行だ、というそもそもの考えを変えない限り、また同じ失敗を繰り返すことになります。もちろん金融機関と業者にも責任はありますが、投資家は自己責任で契約をしたことを棚に上げて、他人を責め立てているところに、逆に投資リテラシーの低さを感じてしまいます。

 

数字を読めない、ビジネススキームの分析ができない、リスクの確認ができない、契約書を読めない素人投資家は、結局のところすべてを他人任せにし、悪い結果の責任を自分で取らなければならないのです。

形態は異なっても、同様の案件はたくさん存在します。リテラシーを上げないと、結局は同じ失敗を何度も何度も繰り返す羽目になります。

投資はどこまで行っても自己責任。失敗を糧にして、何かを学べれば次のチャンスをものにできるかもしれません。

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