今、NYコミュニティバンコープ(NYCB)が破綻寸前の状態となっています。
ムーディーズは同行の格付けをジャンクへと格下げしました。
同行は執行部を刷新すると共に、資金は潤沢にあるとして投資家たちをなだめているとする報道がなされています。
明らかにバンクランが発生しています。NYCBは小規模金融機関だと思われていますが、そうではありません。
破綻は今週末になるのかそれとも来週末になるのかは分かりません。
ここでの焦点は25万ドル以上を対象とするFDIC補償対象外の預金の取り扱いになると思われます。
NYCBはプレスリリースを発表し、資金は潤沢にあるとしています。
その中で合計の預金額は830億ドルで、補償対象外の預金が229億ドルに達することを説明しています。
頼みの綱りFDICは1200億ドル程度しか資金がありません。つまりいくつもの金融機関の預金を保護する能力はありません。
NYCBは2022年に中堅金融機関のフラッグスターを買収しています。
FDICでは手に負えないと思っているのかどうかは分かりませんが、昨年破綻したシグネチャーバンクから買い取った商業不動産債権を担保に、フラッグスターから50億ドルを調達する計画のようです。
フラッグスターに親会社を救済する能力はあるのでしょうか?
既に問題がフラッグスターに飛び火することを心配する声が出ています。
NYCB's slide sparks fears of more banking and commercial real estate turmoil
元ダラスFRBのカプラン氏がこの件に関してインタビューに答えていますが、商業不動産を巡る地銀の問題は手が付けられないレベルのようです。
NYCBは1100億ドルの資産を保有しているとしていますが、同行の市場規模は30億ドルしかありません。
極端な資金難に陥っていることは明白です。
「何とか解決できればいいのだが」といった回答しかできないようです。
イエレン財務相は商業不動産をめぐる動向は懸念しているが、リスクは制御可能であると発言しています。
リーマンショック直前にも、同じような話が聞かれたことが思い出されます。
来月にはBTFPは終了しますし、額が大きいので救済できるかどうかは不明です。
NYCBからドミノが始まるかどうかは分かりませんが、計画的に連鎖破綻させるタイミングと一致します。
そして問題はすでにアメリカ以外にも波及し始めています。
ドイツ国営銀行に飛び火しているのと、アジアでも飛び火の兆候が見られるようです。
金融機関の連鎖破綻と不動産の大暴落はセットでやって来ることになります。
タッカーカールソンによるブータン大統領にインタビューがリリースされています。
長いですが、良ければご覧になってください。