アメリカの不動産は万人向けではありません。
しかし、今回の経済危機で資産を築きたいのであれば少なくとも調べてみる価値があると思います。
他の国でも起こる可能性はありますが、あくまでも中心地はアメリカです。
経済の崩壊の過程で一部の人たちは巨額の富を築くのに対し、一般人は資産を失います。
もちろんいい話ばかりではなくリスクはいろいろとありますが、知っておくことに損はないはずです。
話の前提ですが、アメリカの一部の都市では不動産価格が暴落し、ビジネスは姿を消し不法移民たちが流入しています。
商業不動産は空室率が上がり、融資をした金融機関は軒並み手痛いダメージを受けています。
これは計画的な破壊であることは言うまでもありませんが、この先の展開についての様々な意見があります。
最近聞いたあるインタビューの中で非常に興味深い意見を聞きました。
スターウッドキャピタルという巨大不動産企業のCEOバリースターライト氏は、アメリカの不動産市場でこれから起こることを推測しています。
世界中の都市に数千億ドル規模の不動産を保有する会社で、本物のプロです。
彼は世界の他とは違い、アメリカだけで商業不動産の破壊が続いていることを指摘しています。
同氏は世界中の商業不動産は問題がないのに、アメリカだけが空室率が上がり価格が下落していることを指摘しています。
アメリカの不動産は大暴落するわけですが、最も損をするのはウォール街ではないとしています。
損をするのはウォール街に資金提供をした年金基金であるとのことです。つまり一般人だけが損をすると言っているわけです。
大暴落のあとに大規模な動きが起こることになると予測しています。
その根拠となるのは今後数年間の間に、多額の商業不動産の融資が満期を迎え、リファイナンスできない物件が次々と売りに出されるからです。
彼の意見では「大都市からビジネスは去り、ゴーストタウン化した後にデトロイトスタイルのサイクルを経験することになる」としています。
つまり治安は大幅に悪化し不動産価格は暴落します。結果としてゴーストタウン化します。
この過程で家賃と不動産価格下落のために、大家は物件を損切りし人々は家を失います。
治安の悪化と大暴落により、人々が町を捨ててゴーストタウンになると家の買い手はいなくなります。
その時にヘッジファンドがすべてを買い占めて街を再生することになる、という意見を述べています。
最新の報道によると全米100都市に住むアメリカ人の30%がデフォルト状態で、27.3%は支払いが90日以上遅れています。
カードローン、オートローン、住宅ローンなどで支払いができていませんが、不動産の大量差し押さえにつながります。
そしてバイデン政権は、空室率で悩む商業不動産を居住用物件へ改装することを促す方向性であることを発表しています。
暴落した商業不動産を購入するのはブラックロックとJPMなのでしょうか?
Commercial-to-residential Conversion: Addressing Office Vacancies
上の情報を総合すると、スターウッドキャピタルのような巨大ヘッジファンドが何を考えているのかが分かるはずです。