これは私の知り合いが最近、直面した問題です。
不動産価格が下がり始めているので、格安と思える物件を見つけて買いました。
私はもう少し待てばもっと下がるから待つように勧めましたが、待ちきれなかったようです。
約束では決済の前日までに売り手は引っ越しを済ませることになっていましたが、その日になると決済の翌日に出で行くから待ってほしいとお願いされたそうです。(赤信号)
そして物件代金を支払い、晴れて物件を入手したのですが、売り手でありこの物件の元オーナーは約束を破り、そのまま家に住み続けているようです。
決済が済んですでに3週間も経過しているのですが、まだ出で行く気配がなく困り果てているという話です。
退去を促しても、あと一日とかあと二日必要といった感じで、ずるずると居座っているということです。
これは良くありがちな問題で、初心者がハマりがちな罠の一つです。
下手すると問題の解決までに多額の費用と、相当の時間が必要なケースです。
アメリカでは不動産の決済日に買い手が代金を支払ってこないケースが良くあります。
つまり売り手としては家の売買契約があったとしても、決済日にお金をもらえないリスクがあることになります。
それを見越して引っ越しをしたとしても空振りに終われば損をするため、確実にお金をもらってから引っ越ししたいと考えがちになるものなのです。
エージェントも決済が終わってしまえば、コミッションが支払われるので後のことはどうなろうが知ったことではないというところなのでしょう。(あるいはその後に何が起こるのかを知らない可能性もあります。)
人が住んでいる物件を買うことには、目に見えにくいリスクが潜んでいます。
このケースだと強制退去というのはなかなか困難な場合が多いものです。
というのは住んでいる人はアメリカの法律に基づき、新たなオーナーに一定基準以上の住環境を要求する権利があるのに対し、オーナーは賃貸契約が存在しないので強制退去がしにくい場合が多いのです。
もちろんこれは州によって法律が異なります。
残念ですがこうしたケースでは、新たなオーナーは賃貸契約書を作成し、家に居座っている元オーナーにサインしてもらうことが必要になります。
これは家賃をもらうための賃貸契約ではなく、強制退去の手続きを始めるための書類を手に入れるためです。
そして一刻も早く、物件の保険に加入しなければなりません。
家を買った友人にしては非常に理不尽な話ではありますが、こうなってしまっては売り手と買い手の問題ではなく大家と入居者の間の問題です。
約束を破られた上に問題解決の時間と費用まで負担しなければならないというのは、腹立たしい話です。。
アメリカで家を買うことには、落とし穴があちこちにあります。
経験がある投資家や不動産エージェントがいれば簡単に回避できたはずの問題ですが、知らないというのは恐ろしいことですね。
これからの時期は、この手の問題が急増しそうですね。