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アメリカの強制退去に絡む問題とは、そして中央銀行が債務超過か?

アメリカの不動産投資で大きな問題となりうるのが、入居者の強制退去です。

今回の経済危機はリーマンショックを遥かに超える規模になるのは間違いなく、強制退去が深刻な問題になるのはすでに目に見えています。

これからアメリカの不動産投資を考えている人たちは、このリスクについてよく知っておくべきです。

 

過去数年間パンデミックを理由に家賃と住宅ローンの未払いが認められたため、住宅ローンを抱える大家たちがやられてしまうという現象が起こりました。

今は法律の期限切れと共に、これまでに溜まりに溜まった分が一気に押し寄せています。

アリゾナでは立ち退きが過去最高数を記録しているといった話や、シカゴでは今年中に5600件の強制退去が行われるという話、他には立ち退き業者が大金を稼いでいるといった報道が出でいます。

 

これ以外には大量の差し押さえり取引が始まっています。

一度の取引で数百件の家をまとめ買いするというタイプの取引が始まっています。

ミシガン州のフリントでは190件の差し押さえを120万ドルで購入したようですので、一軒当たり$6300という破格の値段で買ったことになります。

これからはこうした例はゴロゴロと出て来るはずです。

 

チャンスがある反面、投資家にとっての難題は強制退去ということになります。

投資物件を購入し、強制退去が起こるとどうなるのか例を紹介しましょう。やや極端な例ではありますが、興味深いものです。

以前にも同様の例を紹介したことがありますが、AirBnBのゲストが500日もの間居座り続け、オーナーは強制退去の裁判を起こしました。

しかし裁判所は入居者の移転費用として、オーナーに10万ドルを負担するように求めた例が報道されていました。

オーナーにとっては家賃が貰えないというだけでなく、引っ越し費用と引っ越し後の修繕費用もオーナーが負担するということを意味しています。

 

入居者側は家は市役所から賃貸物件としての許可を得ておらず、シャワーが違法に取り付けられているため、違法な仕方で利益を得ようとしていたと主張しています。

これ以外にもキッチンシンク周りにカビが生えているので、家賃は支払わないと主張しています。

そしてオーナーは市役所側からも法律違反として罰金を請求される羽目になりました。

恐らくこの方は、不動産投資の経験がほとんどなかったところに、タチの悪い人に捕まったのでしょう。

Airbnb guest ‘from hell’ squatting at home for 500 days — wants owner to pay $100K

これはカリフォルニアの話ですが、州の法律が大家に対して非常に不利になっているので、投資にはあまり向いていないということなのかもしれません。

州の法律がどのようになっているのかというのは意外と大切です。

 

実はこれはアメリカの不動産でよくありがちな失敗で、損害が発生します。

当然家賃は回収できません。その間にも費用はどんどんとかさんでいくわけです。

水道料金と保険料、固定資産税そして物件の修理代金と弁護士費用を負担しなければならない、ということになります。

入居者が悪質だと、強制退去に向けて修繕を進めていても、次々と問題を指摘して健康被害が発生しているといった主張をしてくることがあります。

これは既に入居者がいて、一見良さそうに見える物件に手を出してはいけない理由の最たるものです。

こうした可能な限り回避するノウハウはありますが、強制退去を完全に回避する方法はありません。そしてアメリカには家賃保証のシステムはありません。

100年に一度とも言われるチャンスが来ようとしていますが、アメリカの不動産投資はそんなに簡単なものではなくリスクもそれなりにあるという話です。

 

記事が長くなりますが、もう一つだけ取り上げたい内容があります。

世界中で金融危機が拡大していますが、この中には中央銀行も含まれています。

最近、スウェーデン国立銀行のリックスバンクが議会に対してベイルアウトの依頼をしたことが発表されています。

つまり中央銀行が破綻寸前ということになります。

救済額は最低で7000億ドル相当で、合計では1兆6000-7000億ドル程度の損失を出しています。

巨額の損失の原因は2022年の急激に利上げにより、2005-2021年に購入した債券価格が急落したことが原因であること。

長期的に独自の経済政策を行うのに必要な信頼を保つ必要がある、と総裁は述べています。

要するに債務超過状態ということで、最低限のラインまで戻す必要があると助けを訴えているわけです。

World's Oldest Central Bank Seeking $7 Billion Bailout After Massive Bond Losses

 

FRBもECBもやっていることが同じですし、日銀もここ最近金利上昇圧力に耐えきれなくなっています。

程度の差こそあれ、状況はほぼ同じだと思います。

決して破綻しないと思われている中央銀行ですが、実はそうでもないということを示す良い例だと思います。

相次ぐ利上げと戦争による更なる金融緩和により、信頼を完全に失う時はもうすぐそこまで来ていると思います。

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