あまり報道されていませんが、金融システムの根幹にかかわる仕組みの変更が行われようとしています。
これについて書いている記事がありましたが、説明らしい説明はなくただシステムが変わるということが書かれています。
日経には記事が出ていました。
これは金融システムの根幹にかかわるLIBORと呼ばれるはシステムの期限が12/31で終わり、今度はSOFRと呼ばれるシステムへの切り替え期限が来ています。
ドル建ての融資の根幹ともいえるシステムを総取り換えしようというわけです。
とはいうものの、ほとんどの金融機関は期限が迫っているものの、そのリスクが高すぎると考えるところが多いらしく、移行はあまり進んでいません。
米財務省は早く移行を進めるようにという指示しているようですが、金融機関は引き延ばしているようです。
少し前から強烈な圧力をかけ続けているようですが、全く進んでいないようです。
ある専門家によればSOFRにはシステム的な欠陥があり、監督する機関の管理能力にも大きな疑問があると述べています。
As Libor Goes Away, U.S. Replacement Makes a Big Trader Uneasy
ほとんどの専門家が指摘しているのは、マーケットのリスクに合わせて金利が上下するシステムが欠落しており、ハイリスクだという点です。
融資のシステムが混乱すれば、サプライチェーンに深刻な問題が発生するという指摘もあります。
End of Libor could trigger supply chain shock
巨大なデリバティブすべてに対する金利にも影響を不可避で、変更がどのような影響を及ぼすかについては誰にもわかりません。
金利が変わるとデリバティブの価値が変動するため、どこでどのような影響が出るかわからないのです。
どうなるかは分かりませんが、今月末に非常に大きな変更が行われようとしています。
少し分かりにくい話ではありますが、すでに不安定な金融システムで大災害を引き起こしかねない要素なので、引き続き注視していくべきだと思います。
今行われているワクチン接種も壮大な実験ですが、こちらの方は金融システムの壮大な実験と言えそうです。