よく海外では"Cash is king"と言われます。
つまり経済危機で資産が大バーゲンになっている時には、現金を用意しておくべきだといういうわけです。
しかし、今回の経済危機では意見がかなり分かれています。
現金を用意しておけば、大バーゲンで効率的に資産を購入できるのは間違いないと思います。
その反面、どこの国の通貨であったとしても購買力が急速に落ちているので、そのリスクを抱え込むことになります。
例えば、ウォーレン バフェットはかなり現金を積み上げていることが報道されています。
過去、最高額の現金保有額だそうです。
Warren Buffett's cash pile tops record with $149.2 billion on hand
コモデティ投資家の大御所として知られているリックルールも、どちらかというと現金を積み上げることを勧めています。
インフレにより目減りするリスクよりも、チャンスを最大化するためには現金が有効だと考えているようです。
彼はビットコインについては否定的なスタンスです。そしてテクノロジー株式も避けるように勧めています。
彼は同時に金鉱山株式に重点的に投資しています。
その反面、現金のポジションはハイリスクだと考える専門家もいます。
例えば、伝説の投資家と言われるダグケーシーはどちらかというと否定的です。
現金ポジションをできるだけ減らし、金と銀、鉱山系の株式、仮想通貨に分散することを勧めています。
その理由としては、現金で保有していたとしてもインフレによる購買力の低下が起こっていること。
銀行預金の場合、金融危機で政府が銀行を救済しない可能性だけでなく、ベイルインの可能性もあると述べています。
ダグケーシーは金の現物が大幅に上昇するとは期待していないものの、大量の現物を保有しているそうです。
そして、人民元が今後もし基軸通貨の地位を確立しようとするのであれば、金本位にするだろうと述べています。
同時に通貨の戦いに対し、アメリカも対抗して金本位制に戻そうとする可能性もあると述べています。
話を聞いていると、どちらの意見も正しいように思えます。
投資家としての金融システムに対する姿勢が、そのまま反映されているようにも思えます。
リスク徹底回避のスタンスで行くのか、それともハイリスク覚悟で行くのかという考えの違いもあるのかもしれません。
どちらが正解なのかは分かりません。私はおそらく両方正解なのではないかと思っています。
私はどちらかというとリックルールとダグケーシーの中間のスタンスですが、前例のない危機が来るというので、これでいいのかどうかは起こってみないと分かりません。