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1兆ドルコインで何をしようとしているのか?

昨日の話の続きです。

アメリカ政府の債務の問題を解決するために、1兆ドルのコインを発行するという話の続きです。

議会での話し合いがつきそうにないので、苦し紛れの案ということなのですが、明らかに民主党の一部の議員は真剣に検討しているようです。

下院議長のペロシも選択肢の一つとして検討すると述べています。

Pelosi says Democrats discussing future debt-limit options — including trillion-dollar coin

このコインの詳細は不明ですが、分かっている範囲ですとプラチナのコインで、重さは不明です。

1OZのプラチナコインですと、約1000ドルで販売されています。

これで何をしようとしているのかというと、議会では債務上限の引き上げが難しいのですが、財務長官の裁量で、アメリカ造幣局で発行するコインの値段を決めることができます。

そのため、発行するコインにありえない価格を付けたうえで、アメリカ政府の多額の負債を保有するFRBに必要枚数を押し付けることにより、アメリカ政府の債務の額を減らそうという試みなのです。

今はメディアは揃いも揃ってどんなに奇抜な考えに思えたとしても、実は素晴らしい解決策だとしてこの案を持ち上げています。

要するに他に手はないということです。

 

このコインの重さは不明ですが、現実的に考えてプラチナは貴金属だとは言え、どれほど大きくしたとしても1兆ドルの価値はありません。

それは米ドル紙幣を発行するFRBも同じで、パソコン上でいくらデジタルのゼロを増やしたところで、中身はゼロです。

価値がない紙切れを価値があるものとして発行し続けてきたFRBなので、本来の価値はどうでもいいとでもいいたいのかもしれません。

いずれにしても、この方法が選択されるとすれば、議会の承認なしにアメリカ政府の債務は増え続けることになります。

一部の議員が提唱するように、1兆ドルコインではなく100兆円コインにしようという動きも出で来るのかもしれません。

ちなみにこの価格のコインを鋳造するとなると、225トンを超える重さとなり、直径が9.6メートルで長さが60センチほどになるそうです。

 

アメリカではインフレが加速していますし、米ドルの本当の価値に一般市民が気付く日も近いのかもしれません。

なりふり構わずというところなのでしょうが、本当にベネゼエラみたいになってきましたね。

コインを発行したとしても、インフレを抑えきれずに崩壊することはほぼ確定していると思います。

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