大手銀行は第二のリーマンショックとも言える不動産マーケットの下落に備えていたことが報道されました。
不動産モーゲージを政府機関であるジニーメイ(アメリカ連邦政府抵当金庫)に売却し始めたことが報道されました。
Hot Housing Market Lets Banks Sell Mortgage Risk
これまで銀行は直接、住宅ローンの貸付を行ってきましたが、いわゆるハイリスクの借り手に対してはノンバンクの機関経由での貸し付けを行ってきました。
つまり銀行がノンバンクに貸し出し、ノンバンクが顧客にローンを提供するというシステムです。
この場合の顧客というのは、クレジットスコアが低かったり、借入額が大きいといったタイプのデフォルトしやすい顧客のことです。
銀行はこの手のハイリスクの住宅ローンを証券化して、投資家に売っていました。
リーマンショックを題材にした映画、ビックショートの中でも説明されていましたが、売れ残ったゴミのような魚も捨てずに、スープにすれば新しい商品に生まれ変わるというわけです。
つまりハイリスクの住宅ローンを他のものと混ぜて、投資家に売ってしまうということですね。
銀行は住宅ローンで多額の利益を上げましたが、危なくなってきたので政府機関であるジニーメイに不動産担保証券を売却し始めたということです。
バイデン政権は毎月多額の不動産担保証券の買い入れをしているので、ちょうどいいというわけです。
同時にノンバンクへの貸し出しを減らしているようで、資金源を断たれたノンバンクはジニーメイに泣きついているようです。
しかし、ジニーメイの方もノンバンクの借り入れ基準を厳格化されていることが報道されています。
Why is Ginnie Mae attacking nonbanks?
英語では、厄介のものを人に押し付けることを、ホットポテトと言います。
つまり熱いジャガイモを受け取ると、素手で持っていたくないので早く次の人に他人に投げて、たらいまわしにするという意味があります。
今、アメリカでは第二のサブプライムローン問題が表面化しつつあり、その責任回避を誰もが水面下で狙っているということが表面化し始めました。
結局、銀行はサブプライムローンの時と同じ問題を繰り返しましたが、教訓は学んで逃げ足だけは早くなったということのようです。