金の現物を購入する時に、政府からの没収リスクを気にする方がいます。
専門家の中には、そのリスクを避けるためにアンティークコインを購入することを勧める人がいます。
以前、アメリカ政府が金を没収した時に1933年より前の物は、法律上の分類がアンティークとされ、没収の対象になりませんでした。
1933年にアメリカ政府は金を1ozあたり$20.67で買い取り、その直後に金価格を$35としました。
つまり、政府の言うことを信用して、金を売却した人は騙されたわけです。
今の価格で考えると、アンティークコインは新しいコインよりも$50-$100程度高いようです。
ただ私が知る限り大半の専門家は、あまり気にしないで購入しているようです。
その理由としては、今後アメリカでは金の没収は事実上、不可能だというのがその理由です。
それはなぜかというと、現在、米ドルはユーロダラーシステムにより、米ドルの流通量はアメリカ国内よりも、海外の流通量が大半を占めています。
仮にアメリカで金の没収を行うとすれば、米ドルを保有している世界各国は一気に米ドルを売り、金と銀を買うために殺到することになります。
そして結果として、米ドルの価値はゼロになります。
ということで、アメリカでは金の没収の可能性はほとんどありません。
他国はどうかというと、やはり自国通貨の価値の関係でやりにくいというのは変わらないと思います。
ただし、これは現時点での見通しであり、変わる可能性はあると思います。
可能性が高そうなのは、CBDC発行の直前に高値で買い取りますというアプローチです。
そして例えば、1oz=$10000で買い取りますなどと言われると、売ってしまう人が続出するのは確実です。
あと、金の売却に高額の税金を課す可能性も指摘されています。
個人的には没収リスクよりも、政府が高値で買い取りますと言ってきたときに、誘惑に負けて手放してしまうリスクを気にした方が良いのではないかと、私は思います。
あとやるのであれば、同時にメディアでアンチゴールドキャンペーンをするかもしれません。
ここで覚えておきたいのは、なぜ貴金属をかったのかというそもそもの理由です。
それは中央銀行が発行する通貨を信用できないから、というのが主な理由であるはずです。
ですから誘惑に負けて、金をまた中央銀行発行の通貨に戻してしまうというのは、本末転倒なのかもしれません。
買った貴金属は、良いタイミングで別の現物資産に変えることを目指すべきです。
あと今後の見通しですが、政府がCBDC発行した後に、金と銀、そして仮想通貨はさらに値を上げることになると思います。
というか、もう入手不可能になると思っていた方が良いでしょう。
もしどうしても心配な人は、銀をメインに買うか、金のアクセサリーを買うのもよいかもしれません。