ここのところ、ドル安が進んでいます。
しかし、為替レートばかりを目を取られると、大切なことを見失います。
たしかに他の通貨に比べてドル安は進んではいますが、他の通貨もコモデティーに対して、価値が落ちているということです。
つまり、通貨ごとを比較するとわかりにくいのです。というのは通貨すべてに対する人々の信頼が失われつつあるからです。
これは米ドルの推移です。過去六年での最安値を更新しようとしています。
これは最近のコモデティの価格のチャートです。
材木
銅
ほとんどすべてのコモデティがドルに対して高値を付けています。
普通に考えると値上がりということになるのですが、ゴールドを中心に考えると、単にドルの価値が下がっているにすぎません。
しかし下がっているのはドルだけではありません。円も、ユーロも同じように下げています。
このチャートによると、ゴールドの価値は一定で、変わることがないのに比べて、各国の通貨は年々価値を失い、最終的にはゼロになります。
すでに価値をほとんど失ってしまった状態から、さらにインフレを起こそうとしているのが各国の中央銀行の政策なので、我々が考えるべきなのは円から違う通貨に変えることではなく、ゴールドとシルバーに変えることだと思います。
数十年前には米ドルもイギリスポンドも金本位制でした。ゴールドの裏付けにより通貨の価値は保全されていました。
しかし、金本位制をやめてからというもの、通貨の価値は激減しています。
これから来る経済危機で、資産を増やそうと思うのであれば、今ある資産を保全することが最優先なのかもしれません。
最近、サウスカロライナ州である法案が提出されました。
それはゴールドとシルバーをコモデティではなく、「お金」として取り扱い、貴金属取引にかかる税金を廃止する内容となっています。
South Carolina Bills Would Cut Taxes On Gold And Silver, Support Sound Money
これから同じ法案が他州でも提出されると考えられていますが、法案が通ればサウスカロライナ州の住民は税金等の支払いを行うのに、ゴールドとシルバーを使用できる内容となっています。
専門家によると、この法案が通ることは、FRBの発行する米ドルの死を意味するそうです。
本物のお金が流通するようになれば、偽物を欲しがる人はいなくなります。
ゴールドとシルバーの価格操作を懸命に行っているのは、人々が本物に気づかないようにするための努力の一環なのでしょう。