崩壊しそうでなかなか崩壊しないアメリカの不動産市場ですが、圧力は確実に強まっています。
その歪みはあちこちで見られるようになっていますが、今日はその点について書きたいと思います。
アメリカにはFHAと呼ばれる住宅ローンがあります。
これは主に始めて自宅を購入する人に対して、住宅ローンを提供することが多いのですが、初めて住宅を買う人というのは、クレジットスコアが低い人たちを対象にしているということになります。
つまり、言い換えれば何か起こればデフォルトするリスクが高い借り手ということになります。
最近、このFHAローンのデフォルト率が急上昇しています。
以下のチャートは8月末のデータですが、全米では17.4%が滞納しています。そして滞納が深刻な状態にあるのは11.2%となっています。
都市により深刻度が異なりますが、上位には以下の都市がランキングしています。
アトランタ
ヒューストン
シカゴ
ダラス
オーランド
ここには入っていませんが、ニューヨーク、ニュージャージーの一部では27%の滞納率、フロリダの一部では26%を超えていて、全米のトップとなっています。
こちらのリンクは全米の大都市圏のデータです。
前からフロリダ不動産は経済危機には弱いと思っていましたが、やはり今回もかなりのダメージとなりそうです。
驚いたのは、比較的滞納率が低い都市でも10%を超えているところがほとんどだということです。
恐らく他のローンでもデータは似たようなものでしょう。
シャドーバンクはもっと貸付基準が緩いと思われるので、滞納率は高い可能性もあります。
もう少しで大量の差し押さえがマーケットに放出されることは間違いないと思います。
第二のサブプライムはもうそろそろ起ころうとしています。
アメリカ政府は先延ばしを試みていますが、先延ばしすればするほど、問題は大きくなると思います。