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ドュアルエージェンシーは利益相反

アメリカの不動産では様々なライセンスがありますが、一般的に接するのはセールスパーソンと呼ばれるものと、ブローカーと呼ばれるものがあります。

普通、エージェントと呼ばれているのはセールスパーソンです。

素人からするとプロだと思い込みがちなのですが、1-2か月の講習で取れてしまうようなものなので、経験がないセールスパーソンは素人に毛が生えたようなものです。

私の意見では、経験がある投資家の方が、セールスパーソンよりもよっぽど詳しいです。

1-2か月、教科書を勉強しただけですべてを学べるほど、不動産は簡単ではありません。

それに対しブローカーはセールスパーソンの経験が7年ないと取れないようなので、より上位の資格となります。

 

アメリカではセールスパーソンは掃いて捨てるほどいるので、誰を使うのかということも大切になります。

人により得意なエリアも違いますし、人格も異なります。

少し前にこんなことがありました。

 

私が数年前から時々、使っているエージェントにいくつかの売り物件を依頼しました。

一つの物件に買い付けが入ったのですが、彼女の話では買い手が、ドューデリの一環として市役所の検査を入れてほしいと要求しているというのです。

市役所の検査官を不用意に入れてしまうと、そこで物件の不備を指摘され、期日を区切られたうえで修理を要求されたり、罰金を支払わされたりするものです。

そのため、当然私はその要求を断ったのですが、エージェントは物件を売るためだから、どうしても検査を入れるようにと圧力をかけてきたのです。

検査を入れたからといって、必ず買い手が決済するという保証はないので、私は断ったのですが、私の利益を最大化するはずのエージェントがどうして売り手の肩を持つような言動をするのか、不思議に感じました。

エージェントにはこれがどういう意味なのか、知らないのかとただしたものの、回答は帰ってきませんでした。

結局、買い手は検査をあきらめ、決済の準備を進め、送られてきた書類の確認とサインをしていたのですが、その中に見慣れない書類が一つありました。

それは何かというと、私がドュアルエージェンシーを承認したという内容の書類です。

日本でもありますが、両手仲介というやつです。

つまりこのエージェントは私の代理人だと思っていたのですが、そうではなく私には知らせずに買い手側のエージェントも同時にしていたわけです。

 

アメリカは州によっては、ドュアルエージェンシーは禁止されていたり、売り手と買い手が認めれば、良しとする州もあります。

しかし、様々な交渉がなされる不動産の世界では、利益相反とみなされる場合がほとんどです。

結局のところエージェントはとにかく取引を成立させて、通常の2倍の仲介手数料を得ようとするケースがほとんどです。

このエージェントは私がいちいち、書類に細かく目を通さないだろうとタカをくくっていたのだと思います。

彼女には、これは倫理違反に近く、私はサインしないこと、そしてこの取引は私にとって良い条件でないことを伝え、二度としないようにくぎを刺しました。

結局、この買い手は様々な要求をしてきたのですが、決済日の直前に取引の中止をきめたようで、決済はしませんでした。

すぐにこの物件を再度売りに出したところ、15000ドル高い価格での買い付けが入り、そのまま決済となりました。

エージェントは物件を販売して、初めて利益をもらえる仕事なので、そのためには違反すれすれのことをしてくることが時折あります。

こちら側がそれに気づかないと、あまり良いとは言えない取引をさせられてしまうことがあります。

 

ということで、不動産のエージェントは上手に使えば、儲かるものの、気を付けないと味方に騙される結果になりかねないということを覚えておくべきです。

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