世界では経済の回復がどの様なものになるのかということに注目が集まっています。
アメリカでは多くの経済評論家やメディアは急回復(V字型)回復をすると強気の予想を出していますが、
他にも回復パターンはU字型になるのか、それともL字型になるのかという意見も多く、実体としてはL字型回復になるというのが実態に近いのではないかと思います。
世界経済は新たな拡大サイクル、V字型回復へ-モルガンSが予想
ちなみにL字型をご存知ない方もいらしゃると思いますので、参考に表を掲載します。要するに回復には長期間を要するとする考えです。
これはIMFによる予想ですが、今年の経済はマイナスの4.9%を予想しています。
注目すべきなのは、2008年の経済危機の時はマイナス0.1%だったということです。
ということは今回の経済危機が2008年と比較して、どれくらいの規模なのかが分かると思います。
大企業の倒産ばかりがメディアに注目されていますが、中小企業が壊滅的な影響を受けています。
アメリカの口コミサイトYELPに掲載されているビジネスの41%が永久に閉鎖するという報道も出ています。
ビジネスに壊滅的な影響が出始めているということは、不動産ローンのデフォルトも増えることを意味します。
これは最新のデータですが、商業不動産ローンの支払滞納が多い都市のデータです。
今暴動で話題になっているミネアポリスは46%、ニューヨーク州の地方都市であるシラキューズは69%、ロチェスターは44%とかなりの割合となっています。
他にも10%を越えている都市は多数あります。
いずれにしても、経済のV字回復は絶対にありえないと考えていた方がいいと思います
それにしてもビジネスもそうですが、商業不動産もかなり値を下げそうです。
こういうことが起こると、人々の行動パターンが変わり、政府がお金をくれても、貯金に回して使わなくなるので、経済はなかなか回復しないのが普通です。