バーゼル3の動向です。
先週の報道では、イギリスでスタートしたバーゼル3ですが、一番肝心なLBAMがルールの適用から除外されたそうです。
LBMAはロンドン貴金属市場協会のことですが、世界中のいわゆるペーパーゴールド、ペーパーシルバー取引の本丸です。
つまり、バーゼル3で期待されていたこと、ペーパーによる価格操作が終わることはしばらくはなさそうです。
もう少しは安値で買い続けられるということなので、がっかりせずに現物を積み上げていただければと思います。
時間的な余裕ができたことは良いのですが、積み立てには要注意です。
海外でも貴金属の積み立て投資というのはかなり広くなされています。
貴金属の取引所であったり、鋳造所が投資商品として販売しているケースが多いです。
大きく分けて、2種類の投資があります。
日本で言うところの特定保管と消費寄託のことですが、かなり大きな違いがあります。
以前も書きましたが、消費寄託の投資をしている人が多数いるようなので、再度書きたいと思います。
特定保管の特徴
購入時に特定の貴金属の所有権をもらう。
保管料を請求される
消費寄託の特徴
購入時に貴金属の所有権は確定しない。
保管料を請求されない。
たいていの投資家は価格がお得に思えるのと、保管料がかからないので未割当口座の投資に選ぶ人が多いようです。
日本国内で貴金属の積み立て投資というのは、消費寄託と特定保管の両方が混在しているようです。
海外の消費寄託では現物が入手できないケースが相次いでいます。
もちろん建前としては、「現物がある」ということになっていますが、実際に現物の引き出しを要求すると、出さないように言われたり、かなりの長期間待たされるケースが相次いでいます。
要するに、投資家のお金は金投資、あるいは銀投資の「契約」を購入しただけで、そこに現物があるとは限らないのです。
そしてそのお金はその契約書を売買するために使われているわけです。
最近は、オーストラリア、アメリカ等の複数の会社でこのトラブルが表面化しています。
その中には政府の鋳造所も含まれているので、きちんとした会社だから大丈夫だということにはなりません。
簡単に言えば詐欺なのですが、それは現物を引き出すまでは分からないのです。
一説によると1ozの金につき、64000の契約が存在すると言われています。
将来への不安から、貴金属に投資する方が増えていますが、日本の会社の積み立てをする時に、投資の中身が消費寄託でないことを確認すべきです。
日本の会社でもLBMAに投資しているケースもあるようです。
可能であれば、特定保管に変えるか、現物を手元に置くべきだと思います。
どうしても心配ならば、ドルコストで現物を買い続けるほうが良いと思います。