先日、ドイツ銀行の筆頭株主であった海航集団が事実上の破たんをしたという話を書きました。
航空関係がやられたということはニュースになっていますが、この会社は不動産にも手を出しています、というか国家ぐるみでやっています。
ドイツ銀行から尋常ならぬ額の融資を受けていて、それが中国のゴーストタウンの建設費になっているという話は以前からありました。
これでドイツ銀行が貸し付けた融資はほぼ回収不能になったといってもおかしくないと思います。
これですでに苦しい状況に置かれているドイツ銀行がさらに窮地に追い込まれると考えられています。
しかし今回のコロナウイルスの騒動には別の余波があります。
それは原油価格下落です。
アジアの航空会社がすでに苦境に陥っていることは報道でも出ていますが、原油採掘企業もかなりの打撃を受けています。
その中にはアメリカのシェールガス関連が多く含まれます。
ドイツ銀行が抱える巨額のデリバティブの中には中国の巨大ゴーストタウンの他に、アメリカのシェールガス関連が半分を占められていると言われています。
つまり、シェールガス関連が倒れれば、ドイツ銀行には致命打となり、それがもとで大恐慌が起こりかねないということ。
シェールガス関連各社は経営難であることは前から話題になっています。
埋蔵量もSECに報告しているデータと投資家向けのデータにはかなりの乖離があります。
下の表の青が証券取引委員会に報告している本当の埋蔵量で、オレンジが投資家に告知している埋蔵量。
実際の5倍もの埋蔵量があると投資家には伝えているわけです。
アメリカ経済を支えていると言われるシェールガス。
これが今のアメリカの好景気の源泉。ウソの上に作られた好景気という訳です。
7500兆ともいわれるドイツ銀行のデリバティブ商品、その半分がアメリカのシェールガスとオイルのロングです。
つまりアメリカのオイル業界が倒産を始めたらどうなるか、リーマンショック以上の経済危機がアメリカを襲います。
ここのところアメリカのオイル関係のニュースがまた出始めています。
Oil Bankruptcies Are Piling Up
Bankruptcy risks rise for US shale
報道によると、「身震いがするような」借入額の返済期限が迫る中、コロナウイルスに起因する原油価格の下落が追い打ちをかけ、倒産リスクが高まっているとのことです。
アメリカでシェールガスとオイル関係の連鎖倒産が始まれば、ドイツ銀行は追い込まれ。アメリカ発の経済危機となりかねないわけです。
アメリカのシェールガスとオイル業界がドイツ銀行にとどめを刺し、これが世界に波及するという可能性も出て来ましたね。