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騙された方が悪いのか?

中国を始めとして、「騙された方が悪い」という哲学を持つ国は意外と多いものです。

しばらく前に中国に住む知り合いからその話を聞きました。

何年か前に中国で、粉ミルクに有毒物質が混じっており、飲んだ幼児が死亡したり、かなりの数の子供に健康被害が生じるという痛ましい事故がありました。

日本人的に考えると、製造メーカーに大きな責任があると考えがちですが、中国では違うようです。

「安い粉ミルクを買うから悪い」という話になり、製造メーカーの責任はあまり追及されないそうです。

日本人としては、全く納得のいかない考え方ですが、事実そうなのでしょう。

 

投資の世界ではいわば中国のような哲学をまかり通っています。

ですから投資に初めて手を出す人は、相手側が自分と同じ考えを持っているとは思いこまない方が安全です。

初めから相手を騙そうとしている人がいて、彼らは「騙される方が悪い」という哲学を最初から持っています。

投資家が追及できないようなスキームを使う人もいれば、相手の無知に付け込んだり、相手側が何もできないと思えば、堂々と違法行為をする人たちもたくさんいます。

騙して、お金だけ取ればあとは何をしても構わないと考えているのです。

自分は特別で、自分だけは騙されないと思っている、やや自信過剰な人に限ってやられるものです。

 

ダマシがない投資の場合でも、失敗に終わる場合、結局、理解していてリスクを取ったのは投資家の側であるという判断をされることも珍しくありません。

私は騙された方が悪いとは思いません。意図して騙す場合、モラルとしては大きな問題です。

ただ法的に言うと結果として、騙された側が責任を負う場合がほとんどという意味で、「騙された方が悪い」ということになるのだと思います。

少なくとも日本の法律ではそうです。

知り合いのある弁護士はそういう理由で詐欺事件の依頼を受任しません。なぜなら本人曰く「投資なんかするから悪いんだ」そうです。

 

ということで、投資する前にはよく気を付けましょう。

というか、少なくともこのリスクのヘッジを考えた仕方で投資ができれば、結果は大きく異なります。

 

いつも同じようなことを書いていますが、詐欺の被害者になった人たちと会うたびに同じことを考えてしまうのです。

一度やられた人というのは、結局は何度もやられるものなのです。

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