少し前に知り合いを通じてある案件に誘われました。
某有名企業に関係する案件で、話を聞く限り、面白そうな案件でした。
私も参加したいと思ったのですが、「ただ一度話を聞いただけではよくわからないし、私もよく知らない業界のことなので、すこしドューデリをさせてほしい」というと、この方はかなり前のめりで、
「もう締め切りは2日後で、そんなことをしている時間がなく、やるかやらないかはすぐに決めてほしい」と言われてしまいました。早く権利を取らないと、別の人に取られてしまうと考えているようでした。
さらに「この案件なら金を出したい人は山ほどいる。そして本当は投資家はいらないし、自分が持っている不動産を担保にして借り入れて、自分が払えるから」と半ば断られてしまいました。
仕方がないので、「そういう状況なら、別の方にお譲りしたほうがよさそうですね」とその場はお断りしました。
お金を投資家から集めようとしておきながら、ドューデリをさせず、しかも考える時間を与えないやり方にかなりの違和感を覚えていたところ、知り合いに相談したところ、たまたまその案件が関係する某有名企業の上層部にコネがあるから、確認してくれるとのことでした。
そして調べたところ、そのような事実はなく、投資のディールとされているものは、ただ可能性があるかもしれない程度の希望的観測に過ぎず、可能性としてはかなり低いものであることが分かりました。
そして、その権利にお金を支払うだけの価値があるかどうかも怪しいということが分かりました。
昨日、数週間ぶりにこの方と会う用事があったので、どうなったかと聞くと、とりあえず急いでいたから自分でお金を払って権利だけ取得しておいたとのこと。そしてこれからどうしていいかわからないから相談に乗ってほしいと言われました。
つまり、話を要約すると、良い投資がある、早くしないと他の人に取られてしまうから、と急かされ、この方はドューデリもせずにお金だけ支払ってしまった、ということなのです。
買った後にディールの辻褄を合わせようとしていましたが、時はすでに遅しといったところでした。
投資をしていると、このような状況はよくあります。急いで失敗するよりも、ドューデリに時間がかかりチャンスを逃す方がましだということを覚えておきましょう。
もちろん100%のドューデリは無理な場合が多いですが、それでも70%-80%程度は必要ででしょう。