大いなる略奪が始まりました。
パイでミックが始まった頃、アメリカでは住宅ローンの支払い猶予制度を導入しました。
一時的に支払いを滞納したとしても差し押さえはしないという内容で、非常に多くの人がこの制度を利用したようです。
しかし問題は制度は一時的なもので、終了時には滞納した額を支払わなければならないということです。
報道では全国的に差し押さえの数が急増しているものの、元に戻る見込みだとしていますが、それは嘘です。
というのは、今差し押さえられているのは住宅ローン支払い猶予プログラムを利用して人たちだからで、今後数か月で一気に急増します。
急増すれば、波及的に影響が広がっていき、価格が下がれば下がるほど多くの物件が差し押さえられていきます。
全国的に増加しているものの、特に急増しているのはカリフォルニア、フロリダ、テキサス、ニューヨークなどが挙げられています。
大都市圏としてはシカゴ、リバーサイド(CA)、フィラデルフィア、ジャクソンビル(FL)、ラスベガスが上位にランクインしています。
支払い猶予プログラムを利用した人たちはリファイナンスしか逃げ道はありませんが、高金利の今はその選択肢はありません。
保険料と固定資産税の高騰も追い打ちをかけていて、支払えないので諦める人が続出しています。
同時に在庫物件は一気に増えていて、テネシー州、フロリダ州などでは価格が暴落局面に入りつつあります。
負債を抱えている人たちや無理をして住宅ローンを組んだ人たちは、軒並み住む家を失うことになります。
今差し押さえの波に巻き込まれている人たちは、今回の大暴落を利用して購入することは不可能です。
アメリカではこの時を待ち構えていて、クレジットスコアを上げるために四苦八苦している人たちが多い気がします。
不動産が暴落すると金融機関は損害を被り信用不安が発生するため、貸し渋りが起こります。
その時に借り入れを起こして、低価格の不動産を買いまくろうという計画のようですが、私はうまくいかないと思っています。
当たり前の話ですが、金融危機で数百から数千もの金融機関が破綻するといわれているのに、ローンで不動産投資ができるなどど考えるのは甘すぎると思います。
外国人の多くは融資の対象外なので、気にする必要はあまりありませんが、融資が出ないということは不動産価格に直結します。
最近、経済の専門家ジムリッカードが述べていましたが、金融危機はフェーズ2に入ったそうです。
イエレン財務相は預金すべてを保護すると明言しています。
つまり金融危機により金融機関の連鎖倒産とベイルインが発生した後、歴史上最大のベイルアウト→国有化が計画されているということになります。
(計画が成功するかどうかは別の問題です。)
ベイルアウトとは米財務省が、FDICが保護しきれない預金すべてを金融緩和により保護することで、預金高は22兆ドル程度でデリバティブは3000-4000兆と言われています。
ペトロダラーの還流と同時に起これば、一気にハイパーインフレとなります。
全てが破壊しつくされる可能性が高いので、過去の不動産バブル崩壊のモデルは参考になりません。
先日ある大学教授でファンドマネージャーでもある方が話を聞きました。
不動産の話ではありませんでしたが、この方の説明によると、グローバリズムの終わりはクレジットの終わりだと述べていました。
BRICS加盟国間の取引でも、クレジットは30日のみで月末に何らかの仕方で清算をするようになると考えているとのことでした。
10年とか30年国債は信用に値しないということになります。
脱米ドル直後の国家間の新たな枠組みの中で、国家間ですら30日しかクレジットがないのに、個人に対して30年の不動産融資をすることなど考えられるでしょうか?
少しの前にクリフハイはバンクラン発生後、5か月以内にアメリカ西海岸の不動産価格が92%程度下落すると予測していました。
下落するきっかけとなるのが、共産主義化した地方政府が不動産賃貸を法律で禁止することにより住宅市場に大混乱を引き起こすことを予測しています。
これと関連があるかどうかは分かりませんが、ドル体制の崩壊とともに国家レベルの取引の崩壊が始まるとも述べていました。
そして投資家と呼ばれる人が姿を消すことになるとも述べていました。
この史上最大の経済危機を余力を残して生き残れる人だけが、チャンスを最大限生かすことができるようになります。
アメリカで不動産を買いたい人は少数派かもしれませんが、信じられないような激安物件を大量に入手するチャンスはすぐそこまで迫っています。