トランプ大統領はアメリカを暗号通貨の中心地にすると明言しています。(Currencies 複数形と述べたので、BTCだけではない)
アメリカがBTCを準備通貨にする動きを見せていることには、複数の目的があります。
以前に書いた通り、これは現在のシステムからCBDCへの橋渡しをするためで、これまでは広くは受け入れられていなかった暗号通貨を広めるための戦略です。
ドルの購買力を一気になくしていくのと同時に、暗号通貨を広く宣伝することで人々を囲いこもうというわけです。
すでに大規模な金融緩和をしていますが、マイナス金利も視野に入っているようです。
数年前にトランプ大統領はビットコインは詐欺で、ドルの競合となるので大嫌いだと繰り返し発言していました。
方針を急転換したことは、指令を受け取ったからなのでしょう。
数日前にBTC至上主義者のマイケル セイラーがテレビに出演し、BTCは金や不動産よりも優れた資産であること。
そしてアメリカは金をすべて処分した資金でBTCを買い占めて、準備金にすべきであるとしました。
アメリカが保有している金すべてを処分し中国やロシアにすべて買わせてしまい、アメリカは代わりにBTCを買い占めること。
同時に通貨としての金を廃止すれば、大量の金を保有する国は損失を被るがアメリカはBTCを独占し、同時に基軸通貨の座も守ることができると主張しました。
はたから見ると、金をすべて処分してBTCを買うというのは非常に極端な方策のように思えるかもしれません。
しかし数週間前にはある議員も同じことを提案していましたので、突飛な政策などではなく真面目に検討しているのかもしれません。
現時点ではまだ仮定の話ではありますが、もし仮にこれがトランプ政権の方針であるとすると、アメリカが抱える巨額の債務が消えることになります。
実際に数か月前、トランプ大統領は暗号通貨でアメリカが抱える35兆ドルの債務を返済すると明言しました。
ここで言いたいのは、債務を返済できるくらいまでBTCの価格を押し上げるということなのでしょう。
同時にハイパーインフレが発生することをも示唆するものです。
可能性は否定できません。
この話に関連して、以前にある事件が発生しました。
"ビットコイン ジーザス"との異名を持つロジャー バー氏は脱税の罪で起訴されました。
109年の刑期になると脅され、彼はアメリカの市民権を放棄して海外に逃れましたが、スペインでインターポールに逮捕されました。
逮捕されたのは、彼が本を出版した数週間後のことでしたが、その本の題名は「ビットコインのハイジャック」でした。
アメリカ人でない人が脱税の罪で海外で起訴され、しかも無期懲役の判決を受けるというのは普通のことではありません。
最近、彼はタッカーカールソンのインタビューに出演し、なぜアメリカ政府が彼を執拗に狙ったのかについて説明しました。
BTCのディスカッションのプラットフォームでBTCは通貨として使用されるようになると語っていた人は多くいましたが、ある時突然検閲されるようになりました。
その後にはBTCは米ドルと競合することはない、という見解が流布されるようになりました。
BTCはデジタル資産なので、使わずにただ保管しておくようにというのが主流の考えとなりました。
つまり検閲とプロパガンダにより、アメリカ政府はBTCをハイジャックしたわけですが、アメリカ政府の目的を暴露して出版したところ逮捕されたということのようです。
肝心のインタビューの内容ですが、当初、BTCは匿名であると信じられていましたが、実はそうではないことが判明したこと。
その後BTCの匿名性をより低下させるための方策が講じられ、今となってはただの資金保管口座となっています。
また金融機関の口座やペイパルと同じくらいの匿名性しかありません。
エルザルバドルでは政府がBTCを法定通貨として指定し、国民はウォレットを使用して取引をしているわけですが、結果としてそのすべては政府が監視しています。
BTCは経済的自由を意味すると考えた人たちは、実は自らをオリの中に閉じ込めていたということです。
結論としてはアメリカ政府はBTCをハイジャックしたうえで、国民を監視するシステムとして使用することになりかねないとして警告を発していました。
中央銀行による意図的な通貨の破壊に対するヘッジとなるBTCではありますが、同時に基軸通貨の地位を守るだけでなくCBDC導入の役割をも果たす可能性がありそうです。
BTCの取引スピードは非常に遅いのでそのまま使われることはありませんが、なぜこういうことになっているのかの理由を知っておくと役立つと思います。
日本も同じ方向なのでしょうね。失敗に終わるとは思いますが。
現状を勘案すると、暗号通貨を買わないという選択肢はないと思われますが、リスクもあることを知っておきたいものです。