アメリカ政府の債務問題は半分忘れられていますが、問題がなくなったわけではありません。
債務の崖問題は何とか切り抜けましたが、今度はそう簡単ではありません。
アメリカ政府は今後12か月の間に、7.6兆ドルの債務が満期を迎えます。
これはアメリカ政府が抱えている債務の31%の相当する額になるそうですが、アメリカ政府は償還をするか、あるいは借り換えをしなければなりません。
当然償還はできませんので、リファイナンスをすることになります。
これはすでに抱えている債務とは別途発生するもので、ざっと見積もると今後12か月の間にアメリカ政府は10兆ドルの債務を抱え込むことになります。
アメリカ政府は今四半期だけで1兆ドルの債務を増やしており、このまま増やし続けると考えられています。
赤字は2-3兆ドルに上ると考えられています。
これがどれくらいの額なのかが問題ですが、例えば今年のアメリカのGDPは25兆ドル程度と見積もられています。
またアメリカの金融業界の規模は20兆ドル程度と言われていますので、比べると債務の大きさが分かると思います。
そのうち10兆ドルが何も生み出すことがないまま、ワシントンDCのブラックホールに吸い込まれて消えることになります。
下の絵は1兆ドルがどれくらいの額なのかを図で示したものです。
巨額の債務の借り換えを目指すことになるわけですが、問題は額だけではありません。
現在10年国債の金利が4.25%前後、3か月国債は5.5%前後という高金利となっており、金利はさらに上がると考えられています。
来年の6月末には、10年国債の金利は7%に到達すると考えられています。(かなり控えめな数字だと思います。)
つまり非常に高い金利で、巨額のリファイナンスを強いられることになるわけです。
それに加え、中国、サウジアラビアはもちろん日本も米国債を大量に処分している最中です。
巨額の国債を売りさばくために、さらなる高金利を売りにするのでしょうか?
この経済が混乱している最中、アメリカ政府はこれまでにない難題に直面することになります。
金利を上げつつ、巨額の金融緩和をするという極限の状況に追い込まれることになるはずです。もう破産と言って差し支えないレベルだと思います。
ところでタイのショッピングモールには必ずと言っていいほど、コンドミニアムの販売コーナーがあります。
大抵の物件は利回り保証が付いていますが、最近は購入すると10年間のビザが付いてくるものも登場したようです。
利回り保証には興味はありませんが、ビザが付いてくるのは面白いですね。
資金面で余裕があって、海外のビザが欲しい方にとっては良いのかもしれません。
預金で持っていてもゴミになる日も近いと思いますので、有効利用の一つとして海外のビザを手に入れるのはお勧めです。
通貨が吹っ飛ぶとしても、少なくとも不動産は残ります。
タイミング的にはやや微妙ですが、日本の田舎で家を買おうと思っている人にとっては手が届く額なのかもしれません。