昔アメリカでは金本位制が導入されていたこともあり、"ドルは金と同じくらい良い"という言葉が生まれたほどでした。
しかしニクソン大統領が1971年に金本位制を廃止し、その後には信用創造により金融機関は担保が少ないのに通貨だけを増やし続けられるシステムに移行しました。
ある方の話によるとこの政策はクリーニング屋さんが引き換える現物がないのに、引換券ばかりを乱発して売買する行為に似ていると説明しています。
金本位制においては発行する通貨は金の裏付けがあるはずで、金の量が足りないのであれば金価格を上げることになります。
下のチャートは1980年1月の時点のマネーサプライ(M1)を保有している金に換算すると、金1オンス当たりの価格は$1473ドルになるはずでした。
そして時間は経過し、今年の5/31時点のマネーサプライをベースに金価格を計算すると、1オンス=$71,117の計算になります。
ここでもわかる通り2020以降、マネーサプライは急上昇しています。
ただアメリカ政府が保有しているとされる金の量は数十年間、ほぼ変化がありません。
100%の金本位制となると金は1オンス=$71,000となるわけですが、保有する金がマネーサプライの60%程度を担保する場合、金価格は$42,800程度となります。
もちろんアメリカの債務上限が撤廃されれば、マネーサプライは増えるはずなので計算上の数字は上がることなります。
今は金本位制ではないので、上の計算はただの絵に描いた餅です。
現在の金価格は$2100前後で、想定の20-33分の1ほどにしかなりません。
ちなみにアメリカ政府の金の法定価格はこれよりももっと低く、たったの$42.22です。
これまでにはいろいろな国で通貨のリセットというものが行われてきました。
ブラジル、アルゼンチンといった国で通貨リセットがありましたが、それは対米ドルに対するものでした。
高額紙幣を残して、さらに単位が大きな紙幣を新規に発行するという手法が取られてきました。
しかしアメリカドルをリセットする場合は、当然ドルに対してではなく金に対してのリセットとなります。
もし過去と同様に60%の金本位制に戻すのであればの場合、金価格は$42800となります。
この通りになるかどうかは分かりませんが、過去の例と同様の事が起これば金の価格は21倍になります。
紙の通貨で資産を持つ人たちはほぼすべてを失い、金の現物を持つ人は一気に資産を増やすことになります。
もしリセットの時にアメリカ政府が金の法定価格を$42.22に据え置くとすれば、通貨と金の割合はさらに薄まり、結果として金現物を持つ人はさらに恩恵を被ることになります。
この数字は5月末時点のものですが、債務上限が撤廃されれば計算上はさらに高くなるはずです。
時々今の金の価格は高すぎるという人がいますが、本当にそうでしょうか?
価格操作により低く押さえつけられていますが、これは人々に価値があまりないと印象付けるためのものです。
価格≠価値ということを理解すると、リセットの時には資産を増やすことができるのだと思います。
本来であれば金の価値は通貨を基準にするものではなく、金を基準にして通貨の価値を図るものなのです。
今、どこの国の中央銀行も金を買いまくっているのは、このようなことを意識しているからだと思います。