アメリカの債務上限問題についてはいろいろな見通しがあります。
政治ゲームに過ぎず最後には決着するという見通しがある一方で、今回はそうはならないとする人もいます。
私はどちらかというと後者なわけですが、それには理由があります。
報道では債務上限は引き上げられるとする向きの報道が多いようですが、ここにきて気になる報道がなされるようになっています。
私がうまくいかないと思うのは、最近上院議長のケビンマッカーシーがニューヨーク株式市場で行ったスピーチで、非常に気になることを話していたからです。
英語がわかる方には聞いていただきたいと思いますが、異常事態が発生中です。
この中で債務上限引き上げについて語っているわけですが、内情を明かしています。
マッカーシー氏がバイデンにあったのは2/1つまり75日前のことで、それからバイデンは一度も話し合いに応じていないと述べています。
繰り返し話し合いを呼び掛けているにもかかわらず、ホワイトハウスは無視を貫いているようです。
債務問題は時限爆弾で、真剣に取り組まないのであれば取り返しがつかないことになるとしています。
そしてバイデンはすべきことを何もしておらず、アメリカという国家をデフォルトの危機にさらしているとして非難しています。
バイデンが話し合いに応じていないことを懸念している議員は他にもいます。
上院議員のジョーマンチンを始めとする複数の民主党議員も、懸念を公に表明しています。
他の議員たちも呼び掛けているにもかかわらず、バイデンは無視を決め込んでいるようです。
これは昨日のマッカーシー議長のツイッターですが、
「なぜ大統領は責任のある仕方での債務上限引き上げの交渉のテーブルにつこうとしないのか? 彼は何を恐れているのだろうか?」と述べています。
そしてバイデンが2024年の大統領選に出馬するという報道を受けて、さらにツイートしています。(先ほどのツイートです)
「バイデン大統領は自らの政治家としての将来を気にしているのかも知れないが、彼はアメリカの将来のことをも気にかけるべきである。
バイデンはついに債務上限先上げの交渉のテーブルにつき、歴史上初のデフォルトを回避したという発表をすべきである」としています。
出馬とかはどうでもいいからやることをやれと言っているわけですが、バイデンの対応には何か意図的なものを感じます。
5日前の報道では、バイデンが共和党の提案は"いかれた提案"だとして一蹴したことについてはすでに取り上げました。
こうしたことを受けてか、アメリカ政府のCDSが急騰しています。
デフォルトリスクが高まっていると判断している機関投資家が急増しているわけです。それだけではありません。
国債金利が急騰していますが、三か月物が金利が急騰しています。
つまり米国債を売って逃げようとする債券トレーダーが急増しているということで、しかも三か月以内にデフォルトすると考えているということになります。
今年の税収が少なかったことを受けて、アメリカ政府のお金が底をつく日は思うよりも早く来るとする報道も相次いでいます。
少し前に書きましたが、クリフハイは5月の第1週目あたり(来週)にアメリカ政府のデフォルトが起こると予想しています。
引き上げ法案が否決されると翌日にバイデンは株式市場と債券市場を意図的に大暴落させると予測しており、これはIMFと世界銀行も予期していない動きになるとしています。
話し合いに応じないのは、バイデンの計画的な行動なのかもしれません。
昨日の報道によると、引き上げ法案の採決は今週になると報道されています。そしてデフォルトのヘッジをしようとしてウォール街はパニックになりつつあります。
先ほどのCDSと国債金利急騰はデフォルトの可能性が高まっていることを示すものです。
事態はかなり緊迫してきました。日本ではゴールデンウィークですが、その間にも大変な事態になるのかもしれません。
金融機関の閉鎖、株式市場と債券市場の閉鎖くらいは覚悟しておいた方がよいでしょう。
連休明けに銀行が開かない可能性がありそうです
そして食料と水、そしてガソリンくらいは用意しておくべきでしょう。