以前から銀は本物のお金であるということに加え、希少金属であるということについても書いています。
金は本物のお金ですが、それ以外の用途はありません。
どれくらい銀が不足しているのかについて、最近複数のデータが発表されています。
ある大学の研究によると太陽光パネルメーカーは2027年までに世界の産出量の20%を消費するようになり、2050年には85%-98%を消費するようになると予測しています。
将来的には銀不足のため、太陽光パネルのリサイクル化が進むことになるとしています。
Solar Energy Production Could Require Most of the Global Silver Reserves by 2050
もちろん銀を必要とする産業は太陽光だけではありません。
最近、銀鉱山大手のファーストマジェスティック(FM)のCEOはインタビューの中で、電気自動車生産のためだけに生産量のほぼすべてが必要になると述べています。
そして、世界中のほぼすべての銀鉱山は自動車メーカーに買収されることになる、という見通しも述べています。
ただ一台の電気自動車にどれくらいの銀が使用されているのかについては正確なデータがなく、1キロ使用されるとする人もいれば、2-3オンスに過ぎないとする人もいます。
ただ電気自動車のために銀のニーズが増えることは確実で、アメリカだけでも2030年までに電気自動車は50%以上にまで増加すると予測されています。
ただこれは銀の供給が間に合えば、という条件付きという話になります。
銀を必要としている産業は他にも多数あります。携帯電話、テレビ、パソコン等にもすべて銀が使われています。
それぞれの業界で大量の銀が必要とされていることは間違いありません。圧倒的に銀は不足しています。
そしてここには本物のお金としてのニーズ、装飾品としてのニーズの話は含まれていません。
そして最近インドが大量に銀現物を買い占めているという要素も加味されていません。
過剰なまでの価格操作により銀価格は抑え込まれてきましたが、その低価格の銀の供給を当てにして各企業は製品の生産ラインを構築してしまっています。
銀が不足していると分かると、企業は突然生産ラインを作り直すわけにはいかず、原材料確保のために銀鉱山の買収を行うことになります。
FMのCEOが述べているように、企業の鉱山の買収は起こると思います。
しかし、最終的には政府は銀鉱山の国有化を試みると思われます。
すでに、メキシコで採掘している企業は"環境問題"を理由に、採掘免許の更新が与えられないという事例が複数起こっています。
メキシコは世界最大の銀産出国で、今後銀価格高騰により超富裕国家へと変貌することになります。
トランプ大統領はメキシコとの国境に作った壁の費用をメキシコが支払うことになると、数十回も発言しており、その度に笑われています。
彼が言おうとしているのは、銀価格が高騰するとアメリカ国内からメキシコに大量の移民が殺到することになると予測しているのではないでしょうか?
私は経済の崩壊により、銀価格の高騰はビットコインの高騰をはるかに上回ることになると思います。
もちろん仮想通貨も大幅に上昇しますが、銀の投資は今世紀最大の価格上昇として後世に語り継がれる事態になると思っています。