最近はアメリカ不動産投資を節税目的で買う人が増えているようです。
健美家にもその魅力についての記事が載りました。
確かに築古物件を買って、減価償却をとれるというのはかなりの魅力です。特に所得の多い人にとっての減税メリットには計り知れないものがあります。
かくいう私も減価償却メリットを考えながら、物件を買い増ししているので、その魅力を体感しています。
しかしとはいえ、気になることもいくつかあります。
節税は構わないのですが、あくまでも儲かったうえでの節税だと思うのです。儲からない不動産を買って、節税できたとしてもあまり意味がないのではないかと思います。節税メリット以上に悪い不動産購入のデメリットが大きい場合がほとんどだからです。
まずはよい不動産を買って利益を出し、そのうえで節税できれば投資家としては最高です。できればその選択肢を最初から考えるべきなのです。
アメリカ不動産投資をされる方は最初の4年間の償却ばかりに目が取られて、償却を取り終わった後、つまり5年目からどうするのかということをあまり考えていません。
5年目からは納税額が跳ね上がり、そこで売却すればキャピタルゲイン分の差益がさらに納税額として跳ね返ってきます。つまり節税といっても、基本先に払うか、あとに払うかの違いくらいしかないということになります。
その対策も見据えたうえで、アメリカ不動産投資をする、それが賢い投資家のスタンスだと思います。
細かく考えていくと、確かにアメリカ不動産は所得が多い人にとって、一時的な節税効果を生みます。しかし魔法のような節税ということにはなりません。
減価償却による節税というのはあくまでもおまけであって、儲かる不動産を買うことの代わりになるものではありません。
そこをよく説明してくれない業者というのはあまり良心的とは言えないかもしれませんね。