今週と来週は、かなり緊迫した週になりそうです。
これはクレディスイスのレポートですが、世界中の富のうち47.8%をわずか1.2%の人が保有しているとのこと。
その反面、10,000ドル以下の資産しかない人は53.2%もいるということです。
これまでの金融緩和は偽物のお金と、富の格差を作り出してきました。
格差があるのはもちろん大問題ですが、ここで富とされているものはいったい何なのかというのはもっと大切です。
債券であったり年金であったり、保険あるいは株式そして預金といったものが、富として計算されています。
そしてこれらすべては約束手形である、またカウンターパーティーリスクがあります。第三者が存在し、機能することがそもそもの条件とされています。
しかし仮に第三者が破綻するとすれば、その富の価値はゼロになります。
取引市場が閉鎖されたり、金融機関がベイルインを行えば、それまでは資産とされていたものの価値は一気になくなります。
株式も債券市場も貴金属もコモデティ市場も、そこで取引されているのはただのデリバティブです。通貨ですらデリバティブです。
そもそもがデジタル上あるいは紙の資産でしかなく、本物の富をベースにするデリバティブでしかなく、本物の富はデリバティブの額の数百分の一以下です。
その時に人々は自分たちが"お金"あるいは"富"だと考えてきた物の価値が、本質的にはゼロであったことに気付くことになります。
そしてそのカウンターパーティーであるドイツ銀行とクレディスイスの破綻の噂が流れていますが、その時は近いと思われます。
今週かそれとも来週かといったところでしょう。
CEOは"緊急事態"であることを認めています。ちなみにこのCEOの名前はリーマンだそうです。
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そしてイングランド銀行の問題は近々、ECBに飛び火するようです。その後にFRBなのでしょう。
中央銀行は救済を試みるでしょうが、その余力はなさそうです。そして金融機関はベイルインをすることになるでしょう。
デリバティブが崩壊し、"資産"の価値がゼロになる時は差し迫っていますが、その時に誰が勝ち組になり誰が負け組になるのかという点は大切です。
取引所が閉鎖される時に、貴金属の価格も仮想通貨の価格も分からなくなります。
しかし、少なくとも手元に資産が残るという意味では、大きな違いがあります。
大混乱が起こりますが、結果としてデリバティブの崩壊から恩恵を受けるのは、資産を持たない一般人です。
ピラミッドのトップは多くの資産を失い、結果として富の分配が行われることになると思われます。
ところでアメリカの上院議員が"反デジタルドル法案"を議会に提出するようです。
これによると米財務省もFRBも、現金の使用を禁止することはできず、デジタルドルは憲法上、法定通貨にはなりえないという内容となっています。
ベリタシアムの特許違反の疑いの件に加え、憲法違反の疑いも浮上し、前途多難といってよいのではないかと思います。
グレートリセットは完全に行き詰っています。