米ドルには何の裏付けがないとよく言われていますが、正確には少し違います。
金本位制脱却後、正確にはFRBのバランスシート上の資産という裏付けがあります。
しかし、ここ最近の金利上昇により異変が生じています。
ニューヨークのFRBは金利上昇が悪影響を及ぼすことを説明していますが、米ドルの最後の裏付けとも言えるFRBの資産の激減という結果につながると述べています。
こちらはFRBのホームページからの切り取りですが、今年の3月の時点の想定を述べたものです。
この時点では2024年の終わりまでに、金利が2.625%に上昇するという予測をしていました。
しかし実際には、もっと速いスピードで上がり続けており、来月には金利は3.25%に到達すると考えられています。
この報告によると金利が1%上昇すると、FRBのポートフォリオに800億ドルの損失が発生するという見通しを述べています。これはポートフォリオの11%の減少を意味します。
FRBは金利上昇により、リバースレポ金利を銀行に支払わなければならないのです。
そして金利はすでに2%以上、上昇しています。
これは先月のアメリカのあるヘッジファンドのレポートですが、FRBの金利1.5%上昇により生じた損失は、850億ドルだと算出しています。
結論としてFRBは事実上、債務超過であると結論付けています。
来月も利上げをすると見られていますが、今でも多額の損失を出し続けている状況だということになります。
問題は、ポートフォリオが完全になくなる時にどうするのかということです。
FRBのホームページの説明によると、「FRBはそのような状況下でも、財政的な責任を果たし続ける」としながらも、
金利の支払いをやめるのと同時に、"将来的に可能性がある資産"がバランスシートに追加されることになると説明しています。
ちなみに"将来的に可能性がある資産"とは、実在しない資産を付け加えるか、どこかから借りてくるということなのかもしれませんが、
要するに、国債を発行するから買ってほしいとお願いすることで、これが始まると金利が急騰します。
一文無しの人が発行する証書に価値がないことは誰もが知っているからです。
今でもFRBは無限にドルを印刷し続けられるので、破綻しないと主張する人がいますが、それは間違いです。
ところでなかなか銀の価格は上がりませんが、コメックスから現物の銀は確実に流出しています。
銀投資家はなかなかもどかしいと思いますが、気長に買い続けましょう。
次世代のお金は、金と銀の裏付けを持つ通貨になるのはほぼ確実です。
こちらは数日前に立ち寄った有名なベーカリーの写真です。ニュージーランドはパイがおいしいことで有名です。