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異なる方法でインフレと"戦う"2つの国

最近、ジンバブエが金のコインを発行しました。

発効したコインは売り切れになったようで、もっと発行するとしています。

インフレと通貨危機で苦しみジンバブエですが、金コインの発行で経済の安定効果を狙うようですが、今後は世界は同様の流れになります。

通貨崩壊後に、結果として健全なお金への回帰へと向かう国が多くなると予想されます。

崩壊後には、裏付けのない新たな通貨発行を試みる国も多いと思いますが、結局は失敗に終わり、金本位制に回帰します。

銀は通貨にできるほどの量が入手できないので、金を使用することになります。

Zimbabwe goes for the gold — coin, that is — to fight high inflation

Zimbabwe hails gold coin success and wants to issue more

Zimbabwe Introduces Gold Coins in Hopes of Reducing Demand for US Dollars

ジンバブエ政府によると、価格はプレミアム5%以下では販売できないとしています。

つまりスポット価格が原材料で、鋳造と販売にかかるコストが5%程度かかるということのようです。

今回の動きによりジンバブエの経済は安定に向かうと思われます。

 

ところでアメリカではJPモルガンが貴金属の価格操作をしていることで、刑事告訴されていました。

組織ぐるみの犯罪行為ですが、一部の職員だけに罪を負わせる方向で決着しましたが、JPモルガンによる大規模な価格操作がまたも明るみに出ました。

ただ記事でも書かれていますが、数人のトレーダーたちが黒幕であったと思う人はいません。

裁判ではJPモルガンが金市場を操作する能力があったことに加えて、銀価格の操作にも加担していたことが明らかになっています。

あるインサイダーによると、JPモルガンはアメリカ政府の代理として価格操作をしていると言われています。

世界で最も影響力あった金トレーダー、執念の当局捜査で頂点から転落

Manipulating silver investors: The JP Morgan verdict, spoofing, and silver inventories

 

アメリカで人々の手に貴金属、特に銀が渡らないようにしているのはアメリカ政府ぐるみの所業とも言えます。

トランプ大統領が任命したアメリカ合衆国造幣局のトップが、イーグルコインデザインを一新し、コインの大量発行を行うと発言していましたが、

突然更迭され、後任にコイン製造経験が全くない人が据えられました。

Ventris C. Gibson

そして今行っているのは全く逆のことで、イーグルコインの製造量を減らしています。

前例がないほどニーズが高まっている今の時期に、生産量を大幅に減らしています。製造能力が不足しているとの説明がなされています。

噂では、市場に供給する代わりにJPモルガン経由でコメックスに供給しているのではないかと言われています。

コインが不足しているため、スポット価格が$20前後なのに対し、イーグルコインのプレミアムは50%程度になっています。

点と点をつなぐと、アメリカ政府が銀行と組んでやろうとしていることが見えてくると思います。

価格が急騰すると注目が集まるので、何とか価格を抑え込む一方で現物の供給を遮断するわけです。

ジンバブエはインフレと戦うために金の硬貨を発行し、アメリカは逆に硬貨の製造を抑えるのと同時に、"インフレ抑制法案"として巨額の金融緩和を行うのを見るのは何とも皮肉ですね。

米下院、インフレ抑制法案を可決、「米史上最大規模」の気候変動対策

 

これにも関連する動きですが、中国国内では貴金属のデリバティブの販売が8/15で終了し、既存のポジションすべてを10/17までに解消するようにという通知が出でいます。

そしてロシアは、価格操作の本拠地でもあるロンドンにとって代わる新たな金取引所の開設を目論んでいます。

経済戦争の有力な武器の一つとなることだけは間違いなさそうです。

 

 

写真はダニーデンのシグナルヒルからの眺めです。

ダニーデンは非常に美しい街ですね。

 

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