恒大集団の問題は毎日のようにニュースになっていますが、この問題は我々が想像するよりも規模が大きそうです。
債務の規模は巨額で理解不能な規模なのですが、その数字ですら正確かどうかという疑問が浮上しています。
すでに中国の不動産会社の連鎖倒産が始まっているようですが、もしこれが中国の不動産バブルの崩壊であるとするのであれば、その全体の規模を把握した方がよいのかもしれません。
ただデリバティブの額は把握不能なので、純粋に不動産だけの数字になります。
下のデータによると、中国の不動産市場の大きさは世界最大の資産規模のようで、額にして62兆ドルです。
規模が大きすぎて分かりにくいのですが、例えばアメリカのバイデン政権は国家予算として要求しているのが6兆ドルですので、その10倍以上と考えれば、想像しやすいかと思います。
平米単価もアメリカをはるかに超えています。
このようなバブルの原因は、日本とアメリカをはるかに超える金融緩和が原因です。
中国はこれまで異常な金融緩和とハイレバレッジをしてきましたが、今それが崩壊しようとしているわけです。
この巨大な不動産バブルのデリバティブの額は不明です。
しかし、普通に考えれば100倍の規模であったとしても不思議ではありません。
アメリカの国務長官が、中国政府に「責任をもって対処する」ようにと述べていましたが、本当にできるのでしょうか?
U.S.' Blinken urges China to act responsibly in Evergrande crisis - Bloomberg News
私には、世界中に転がっている問題の導火線にガソリンをかけて火をつけたようにしか見えません。
中国国内では、ファンテージアとシニックという別の不動産企業がデフォルトしています。
ここでの問題は、中国不動産市場に対する信用が失われてしまうということです。
ブルームバーグによれば、すでに中国の債券市場に飛び火しており、その規模は12兆ドルになると報道しています。
しかし、これは氷山の一角にすぎません。
ほとんどの報道は、世界的な危機にはつながらないとする論調で、パニックを抑えようとするものばかりですが、実態はそうではありません。
しかし、すでに巨大に時限爆弾の導火線に火はついており、中国政府は火消しできず、コントロールできない仕方での大崩壊となりそうです。
中国にとって想定される最悪の展開となりつつあります。
中国不動産市場は世界最大のポンジー詐欺で、これ以上の維持が不可能となったので、一気に崩壊へと向かいそうです。