最近まで知らなかったのですが、実はホワイトハウスにはブログがあります。
最新の記事が掲載されていましたが、その題は"Life After Default"、つまり「デフォルトの後の生活」というものです。
アメリカ議会が債務の上限引き上げを巡り、紛糾していることを念頭に置いたものであることは明らかで、仮にアメリカ政府がデフォルトするとどうなるのかを説明しています。
この記事によると、アメリカ政府がデフォルトすると、もちろん海外への影響は大きなものになりますが、一番影響を受けるのはアメリカ国民です。
つまりデフォルトというのは、アメリカ国民に対するデフォルトという意味合いが一番強そうです。
例えば、国定公園の維持は不可能になりますし、治安維持の費用も賄えないことになります。医療システムも影響を受けます。
政府機関の閉鎖も起こります。
ここで最も影響を受けるのは、政府からの給付金を受け取っている人々です。
子供のいる家庭、退役軍人、引退した政府職員たちの収入は途絶えます。そしてその数が非常に多いのです。
2020年のデータでは、社会保障プログラムを通じて給付を受けた人は約5000万人、遺族死亡給付金を受け取った人は600万人でした。
2015年のデータによると、1200万人が社会保障プログラムのみの収入により、生計を立てており、平均給付額は$1600でした。
医療に関して言えば、メディケアに加入している人の数は6000万人以上、メディケイドは約7500万人、児童医療保険プログラムの加入者は約700万人です。
これらの人々は保険を失うことになります。ちなみにメディケアの支払額は、一人当たり$1100です。
政府から給付金を受け取っている退役軍人は900万人以上で、障害の程度にもよりますが、平均給付額は$900です。
あと少し字が小さいのですが、下記プログラムも影響を受けます。
補助的栄養支援プログラム 4200万人 (低所得者向けのフードスタンプ給付)
扶養子女税額控除 6000万人
住宅支援プログラム 1000万人
学生向け財政支援 1100万人
学校給食制度 3000万人
高齢者、退役軍人、低所得者を中心に、複数の給付金の対象となっていると思われますが、こうしたものすべてが一気になくなってしまうわけです。
収入が絶たれるだけでなく、生活必要品の価格が高騰するので、文字通り路頭に迷う人が大量に発生することになります。
想像するだけでも恐ろしい状況がすぐそこに迫っているわけです。
今日の時点では、一時的に債務の上限を上げるための熾烈な交渉をしているようですが、もう一日も待てないというのが本当のところのようです。
ちなみにこれは10/5の時点の状況です。ほぼ空っぽのようですね。
短期的には混乱すると思いますが、中長期的に見ると、一度デフォルトしてしまった方がアメリカという国家のためにはよいのではないかと思います。