リーマンショックの時もそうでしたが、アメリカでは不動産価格が暴落すると、固定資産税が逆に上がるという現象が起こります。
常識的に考えれば、固定資産税と不動産価格は連動しているべきなのですが、乖離が生じるということが起こります。
それはアメリカの固定資産税のシステムとも関係があります。
経済危機で地方自治体の財政が悪化するため、固定資産税を上げざるを得ないわけです。
経済危機でビジネスが潰れ、税収が減るため、埋め合わせが必要というわけです。
後、今回問題が指摘されているのが、年金の問題です。
アメリカで不動産を持たれている方であれば、ご存じかと思いますが、固定資産税にはいくつかの種類があります。
いくつかの合算の総額が請求されるわけですが、その大きな部分に「学区」というものがあります。
場所によっては固定資産税の60%-70%が「学区」名目の税金として徴収される場合もあります。
これは何かというと、教職員たちの年金になります。
もちろんこれ以外にも、公務員たちの年金もあり、財政がひっ迫した地方自治体は、こうした年金を固定資産税の値上げにより、穴埋めしようというわけです。
教職員と公務員の年金が異常に高いことは、全米各地で問題になっており、そのしわ寄せが不動産のオーナーたちに来るというシステムになっているわけです。
問題提起はされていますが、解決には至らないと思います。
今後、下落する不動産価格と高騰する固定資産税によって、自宅を失う人が続出することはほぼ間違いないと思います。
Resolution on Pension Default, Not Pension Holiday
Property tax task force disappoints; pension consolidation signed
経済危機のアメリカで暴落した不動産を買うと、おかしな額の固定資産税に付き合わなければならないということは予期しておくべきです。
以前、私が買った物件の中には、物件価格が3万ドルなのに、税金が1万ドルを超えている物件がありましたし、
固定資産税を代わりに支払ってくれれば、家をタダでくれるという人もいました。
経済が崩壊すると、変なところにしわ寄せがくるといういい例なのだと思います。
ただ今回は地方自治体も破綻に追い込まれる可能性も高く、その場合は税金の徴収もないかもしれません。